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LINEヤフーのブランディングを支える「スペースデザイナー」という存在

こんにちは、LINEヤフーでデザイナーの採用広報を担当しているGOです。
この記事ではLINEヤフーのスペースデザイナーについて、読者の皆さまの認知と理解を深め、興味を持っていただくために、関連部署のデザイナーに直接行ったインタビューを掲載いたします。
今回は、スペースデザイナーを対象とし、この領域のデザインを管掌するLINEヤフー株式会社Design Executive Center VXD本部VXD2部VXSチーム リーダーの佐藤晋平さんにお話を伺いました。
Webの事業会社で働くスペースデザイナーとはどのような存在で、何を求められるのかについて、ぜひ知っていただきたいです。

今回の記事の対象となる求人

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募集の背景

依頼増加のタイミングで、チーム体制をより強化したい

Q. LINEヤフーのスペースデザイナーとしての主な業務内容と責任(R&R)について教えてください。

LINEヤフーのオフラインイベントにおけるブランドデザイン、空間デザインおよびイベント企画・設計を担当しています。
社内向けイベントでは企画から内装までデザインすることで社員や参加者のエンゲージメント向上に取り組み、社外向けイベントでは、ユーザーの1日の体験をデザインすることで、コーポレートやプロダクトに対するブランディングイメージを向上させ、KPI達成の後押しができるよう取り組んでいます。

Q. どのような背景からこの募集を実施していますか?

コロナが明けたということもあり、昨年2023年の合併以降は全社的にオフラインイベントが急増しています。
また喜ばしいことに我々が関わったプロジェクトが社内外で高い評価を頂けていることから、VXSチームへの空間デザイン依頼も増えてきています。このタイミングで、チーム体制をより強化することで、今以上にサービス・プロダクトのKPI達成に寄与できると判断したことが、募集を開始した背景です。

チーム環境と新メンバーへの期待

何事にも意欲的に取り組み、楽しんでほしい

Q.佐藤さんのご経歴と現在の役割について教えてください。

前職のアトリエ事務所時代には美術館や図書館、ホテルや市庁舎などの設計をしてきました。
転職を考えていた頃に、当時のLINEに空間デザインの専門チームができると聞き、2016年にオープニングメンバーとしてジョインしました。インハウスでオフィスやイベント、スタジオや店舗の設計を経て、現在はVXSチームのリーダーをしています。
空間デザインを通して、LINEヤフーのブランディングイメージを向上させるために、グラフィックや映像チームと密に連携しながらトータルブランディングを行っています。

Q. チームのビジョン、方向性を教えてください。

我々VXSチームは、もともとSpace Designチームという名で活動してきました。チームメンバーは建築や内装設計でゴリゴリに実務経験をしてきた、いわば本物の空間デザインのプロ集団です。VXSとは“Visual Experience Space”の略ですが、昨年の合併を機にLINEヤフーのブランディングを空間デザインでもリードしていくという強い意志を込めて、VXD本部というブランディング部門の中で活動をしていくことを決めました。
我々のミッションは“空間デザインによってサービス・プロダクトのKPI達成を後押しする”ことです。イベント会場や展示ブースのデザインを我々空間デザインのプロが本気で行うことで、サービスやプロダクトのブランディングイメージの向上のみならず、LINEヤフーとしてのブランディングイメージの向上にも寄与しています。

Q. チームの文化や働き方について教えてください。

一般的な設計会社だとプロジェクト全体のうち設計期間のみ関わることが多いですが、我々は設計の前後までひと繋ぎで見ていきます。
設計に入る前の企画の段階から依頼部署と協業することも多く、プロジェクト完了後の成果をデータとして残して次回に活かしていきます。
このように本来設計者が考えるべき、設計の前後まで見ることができるのがVXSチームの大きな特徴だと思います。
またLINEヤフー全体に言えることですが、年齢や国籍も多様で、とてもフラットなカルチャーなので、デザイナーにとってとても働きやすい環境だと思います。VXSチームだけで言うと、私含め2名が小さな子を持つ親なのですが、在宅勤務やフレックスタイム制度で、自分のペースで仕事ができるので、そういった意味でもとても働きやすい環境だと思います。

Q. リーダーとして、チームとして成果を発揮する上で最も重要だと思う要素は何ですか?

担当者に裁量権を与えることです。
裁量権を与えられると、一見自由になったように感じますが、実は発言や資料の内容に責任を持たないといけないということが分かってくるので、必然的にクオリティが上がります。そうすると担当者のプレゼンスが上がり、周囲からも信用されるようになり、プロジェクトが成功した際には、メンバーの自信にも繋がります。
そのためにメンバーによく言うのは、“最終成果物の責任は僕が取るので、プロセスに責任を持ってください” ということです。これを言われるとメンバーは頑張らざるを得なくなります(笑)
そして実は僕も頑張ってクオリティマネジメントをしないといけなくなります(笑)
でも結果としてメンバーの成長にも繋がるし、プロジェクトのクオリティもあがるという魔法の言葉です(笑)

Q. 今後入社するデザイナーに対してどのような期待をしていますか?

一番は何事にも楽しんで取り組んでくれることです。インハウスの設計部門なので、サインや家具のデザインから街を巻き込んだ大型イベントまで、数平米から数千平米まで、本当にさまざまなスケールのプロジェクトがあります。
また、エンジニアや営業・企画・オフィス管理者などなど、数多くの職種の方と協業することもVXSチームの特徴だと思います。スケールの大小関係なく新しいことに意欲的に取り組み、異なる職種の方との協業を楽しんでくれる方を期待しています。
建築や内装の設計業界だとなかなかない経験だと思いますが、IT業界の多様性と変化の速度を楽しんでくれることを期待しています。

デザイン哲学とアプローチ

依頼以上のものをどれだけくみ取って提案できるか、がとても大切

Q. チームにおけるデザイン哲学や価値観について教えてください。

デザイナーって、どんな時でも誰かを喜ばせたいという根幹のモチベーションがとても大事だと思います。
我々で言うと、依頼部署の依頼以上のものをどれだけくみ取って提案できるか、がとても大切です。
そのためには頼まれていないものまで作ることもありますし、手段にはこだわらず最後まであきらめないで何ができるかを考え尽くすことが重要だと思います。

Q. デザインアプローチにおいて特に重視しているポイントと、その理由を教えてください。

きれいに整理された依頼書だけでは分からないことが多いので、それまでに削り取られていった細かな意見や経緯を拾い上げるためにも、相手によって最適なコミュニケーション方法を探ります。
最近の打合せはほぼオンラインで実施されますが、相手が初めて協業する部署だったりすると、最初の数回はあえて時間を取ってオフラインで実施することもあります。人と人なので、お互いの人柄がなんとなく分かりあってからの方が、プロジェクトの進行がスムーズになることが多いです。

Q. プロジェクトにおける基本的なデザインプロセスについて、具体的に教えてください

まずはヒアリングにて条件を洗い出します。それ以降は一般的な設計業務と同様に、図面を描き、3Dで提案を数案作りプレゼン、を繰り返して精度を上げていき、デザインが固まる段階で、協力会社と連携し見積を取り、金額調整をして施工、という流れです。
一般的な設計会社と異なる点と言えば、提案を作る段階でグラフィックチームや映像チームと連携して、空間を体験する人にとってトータルブランディングされた状態での提案を作るということだと思います。

直面した課題とその解決例

Q.チームが直面した課題とその解決策について教えてください

我々のチームの課題であり達成するべき目標が2点あります。
1つ目はセルフビルドです。
特に社内イベントの時に多いのですが、会場デザインにコストを掛けられない、という状況がどうしても発生します。そういう状況だとセルフビルドを前提にデザインを考えなければいけなくなります。担当者は週に何度もホームセンターに通い、モックアップを作りどの素材が適しているか何度も試し、ヘルプで来てくれるメンバーへの作業指示書を分かりやすく作らなくてはいけなくなります。
プロジェクト関係者みんなワンチームで共同作業をするのは、文化祭然としていてなかなかに楽しいものなのですが、やはりとても工数が掛かりますし、施工精度やデザインの幅を考えると職人さんと協業する方がいいことも多いので、バランスが重要だと感じています。
その上で事業部とはキックオフ前の予算組の段階からジョインして、予算に関して議論しながら進めていくこともインハウスなら可能だと思っているので、今後実施していきたいと思っています。
インハウスゆえの大変さと課題感はありつつも、さまざまなスケールや条件のプロジェクトを扱うにあたって絶対的な正解があるわけではないので、型にはまらず柔軟に最適解を模索していきます。

ノベルティを活用した壁面デザインのセルフビルド
木版の穴あけ作業

2つ目はゴミを出さないことです。
イベントや展示会の会場デザインをするときは、どうしても短期間の展示になるため、なるべく廃棄が出ないように、照明演出やトラスなどのリース品を活用したり、リサイクルが可能な素材を採用するようにしています。ただ、中にはどうしても造作でデザインしたものを廃棄しないといけなくなることがあります。この時、最近我々がやっていることが、「柔らかく軽い素材を選定すること」「アップサイクル」です。
素材選定に関しては、単純に持ち帰ってオフィス内の限られた倉庫に保管するためには、小さく折りたためることが必須になるからです。これがなかなかに重要なポイントで、これがないとアップサイクルまでたどり着かないのです。扱いやすい素材であることが、アップサイクル時にとても重要です。
少し前に、プロジェクトが終わったタイミングで、イベントで使った布地をアップサイクルして、ミニバッグを作り依頼部署にプレゼントした際にはとても喜んでもらいました。完全に業務範囲外の検討ではありましたが、ゴミが出ないだけでなく、それによって新たに誰かが幸せになる、というだけでデザイナーとしてやらない手はないと思います。
今後もこの活動は続けていこうと思っています。

イベント時に使っていたガーランドをミニバッグにアップサイクル
コロナ禍にオフィスで使っていた飛散防止用アクリルパネルをオリジナルハンガーにアップサイクル

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、スペースデザイン分野を管掌する佐藤さんに、求人の背景とデザイン哲学、課題解決などについて語っていただきました。
この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ採用情報をご確認ください。ご応募お待ちしております。

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