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「Yahoo!知恵袋」のリードデザイナーが語るデザインプロセスとチームマネジメント

こんにちは、LINE ヤフーでデザイナーの採用広報を担当している GO です。
この記事では現在募集中のデザイナー求人に対して、読者の皆さまの認知と理解を深め、興味を持っていただくために、直接関連部署のデザイナーに行ったインタビューを掲載いたします。
今回は、「Yahoo!知恵袋」のプロダクトデザイナーを対象とし、この領域のデザインを管掌するLINEヤフー株式会社ローカル・UGCカンパニーUGC本部企画デザイン部デザインチーム リーダーの杉山雄太さんにお話を伺いました。

今回の記事の対象となる求人

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募集の背景

LINEヤフーらしい新たな価値創出を行う取り組みが始まったことが転機

Q.「Yahoo!知恵袋」のプロダクトデザイナーとしての主な業務内容と責任(R&R)について教えてください。

「Yahoo!知恵袋」およびその関連プロダクトのUI/UXデザインを担当しています。プロダクトオーナーやプロジェクトリードと協議しながら、ユーザーのみなさまが直接目にする・手にふれる面のユーザビリティや満足度を向上させるための各種デザイン検討や検証を行い、個々の品質担保に責任をもって取り組んでいます。

Q. どのような背景からこの募集を実施していますか?

「Yahoo!知恵袋」は2004年にベータ版がリリースされて以来、「すべての人々に知恵を共有するサービス」として幅広い年代の方にご利用いただき、今年4月で20周年を迎えました。ユーザーの皆さまがさまざまな質問・相談をしたり、自分の知識や知恵を生かして回答できるQ&Aサービスとして、2004年のサービスリリース以来、基本的な利用作法を変えずにサービス提供を続けてきました。
2023年のLINE株式会社とヤフー株式会社の合併、さらに生成AIの急成長をきっかけに、知恵袋へのAI回答機能の搭載やLINEサービスとの新たな連携など、LINEヤフーらしい新たな価値創出を行う取り組みが始まったことが転機となり、今回の募集を開始した背景となります。

チーム環境と新メンバーへの期待

上流からリリースまで幅広くデザイナーがプロジェクトに関わることを強く推奨

Q.杉山さんのご経歴と現在の役割について教えてください。

2017年に新卒採用でヤフー株式会社に入社しました。「Yahoo!検索」に配属されたのち、新規サービスの立ち上げ経験などを経て、現在は「Yahoo!知恵袋」のデザインチームのリーダーをしています。経験の中では、特にUXリサーチを主軸としたユーザー体験の設計や改善を多く担当してきました。兼務ではUX品質推進チームにも所属しており、普段から社内のあらゆるプロダクトをウォッチしています。

Q. 「Yahoo!知恵袋」のデザインチームのビジョン、方向性を教えてください。

「Yahoo!知恵袋」を担当するデザインチームの特徴は、企画チームと同じ部内に存在することです。企業や組織によっては、デザイナーが制作職として決まった仕様のデザインに専念するケースもありますが、私たちのデザインチームでは業務領域を自ら狭めることはせず、企画メンバーと一緒に上流からリリースまで幅広くデザイナーがプロジェクトに関わることを強く推奨しています。
例えば、サービス利用の一連の体験をデザインするUXデザイン、サービス全般のわかりやすさ・使いやすさ・楽しさなどを追求するUIデザインに限らず、どのようなものを作るべきかを検討するなど、プロジェクトの上流工程でのプロダクトデザインに至るまで、状況に応じて各デザイナーが得意とする専門領域を軸にしながら幅広く事業やプロジェクトの企画に携わるようにしています。

Q.「Yahoo!知恵袋」のデザインチームの文化や働き方について教えてください。

デザイナーとしての発想力や表現力などのスキルを持っていることが基本ですが、プロダクト開発に携わるデザイナーとして、ビジネスとユーザー双方の目線でバランスよくプロダクトをデザインできること、そのトライができることが非常に重要だと私たちは考えます。
自身の発想力や表現力を高めつつ、社内外のキーパーソンやサービスを利用いただくユーザーの皆さまとやり取りをしながら、「なぜこの事業を行うのか」、「誰に、どんなものを、いつ、どのように届けたいのか」を常に整理・確認しながら一連のデザイン検討を進めていくことが大事だと考えています。

Q.効果的なデザインチームを構築する上で最も重要だと思う要素は何ですか?

デザインチームに閉じることなく、関係各所ときちんとコミュニケーションを取り、時にはリードできるチームの構築が最も重要だと考えています。経営層やビジネス職、企画職、エンジニアなど、さまざまな職種のメンバーときちんと協業して初めてプロダクトのデザインは成り立つものと考えています。ですので、個々が柱となる専門スキルを持ちながらも、その領域に固執せず、領域を跨ぐ動きができること。そして、歩み寄りの姿勢と相互理解の姿勢を常に持ち続け、図示化や可視化のスキルをうまく用い、メンバー各々が積極的にコミュニケーションすることが大切だと思います。

Q.これから入社し、共に業務に取り組むデザイナーに対してどのような期待をしていますか?

現時点での「Yahoo!知恵袋」のUIデザインは、良い意味でも悪い意味でもレガシーであると、私たちは認識しています。今後、より加速するLINEヤフーとしての新たな取り組みが進む中、「Yahoo!知恵袋」のデザインチームには、20年続くサービスとして「知恵袋らしさ」を大切にしつつ、LINEヤフーとして生成AIなどの新たな技術を取り込んだ「WOW」で「!」な利用体験・価値を提供するアップデートを両立させた新たなデザインを具現化していくことが求められます。上記のバランスを取りつつ案件を推進できるデザイナーを必要としています。
LINEヤフーには、ヤフーのプロダクトをよく知るデザイナーとLINEのプロダクトをよく知るデザイナーが多数所属しています。先に述べたように、ヤフーらしさやLINEらしさを大切にしつつも、これまでの概念にとらわれない新しい観点でのプロダクト同士の連携や生成AIの活用に取り組む必要があると考えています。そういった意味でも、「Yahoo!知恵袋」のデザインチームに新たな風を吹き込んでくれることを期待しています。
どのようなものを作るべきか、現在進行中で検討を行っていますので、今後もスクラップ&ビルドを繰り返し、様々な切り口での模索を行いながら、LINEヤフー時代の新しい知恵袋を一緒に作り上げていくことになります。時にスタートアップのように少人数でスピーディーに動きつつ、LINEとヤフーの様々な大規模プロダクト群との連携を踏まえたデザイン戦略を組織的に推進していくことも求められます。一見相反するような取り組みへのトライを同時に行えることが、今回のポジションの醍醐味でもあると思います。ぜひ我こそはと思う方がいらっしゃいましたら、ご応募いただけると嬉しいです。

デザイン哲学とアプローチ

新たな技術を取り込んだ「WOW」で「!」な利用体験・価値を提供する

Q.「Yahoo!知恵袋」におけるデザイン哲学や価値観について教えてください。

ヤフーブランドのプロダクトは、「Yahoo!検索」や「Yahoo! JAPAN」アプリなどを通じて流入し、さらに「Yahoo!知恵袋」を通じて他のプロダクトへの回遊をスムーズに行う必要があります。サービス単体で尖ったデザインを採用するのではなく、基本的にはヤフーブランドのUIガイドラインに準拠し、その範疇で知恵袋らしさを演出する取り組みがこれまでの主な方針となっています。
先に述べたようなLINEヤフー時代の新たな「Yahoo!知恵袋」を作り出す流れが社内で動く中で、今後、知恵袋のデザインチームには、20年続くサービスとして知恵袋らしさを大切にしたアップデートと、LINEヤフーとして生成AIなどの新たな技術を取り込んだ「WOW」で「!」な利用体験・価値を提供するアップデートを両立させることが求められます。これから、この両立をうまく成り立たせるデザイン哲学や価値観の構築を目指していく予定です。

Q.デザインアプローチにおいて特に重視しているポイントと、その理由を教えてください。

デザインアプローチというよりは、適切な検討や合意形成を行うためのアプローチかもしれませんが、上流工程で「何を作るべきか」の議論にきちんと入り、「Why」「What」「Who」を明確にした上で「How」の検討を始めることが重要だと思います。その際、デザイナーがきちんと情報収集を行い仮説を持ってその議論に臨むこと(デスクリサーチやユーザーリサーチ)が求められます。また、「How」となるアイデアや方向性を検討する際は、初めから一つの方向性に絞らず、複数の可能性を必ず検討した上で、仮説検証や合意形成を行い、最も有効な案を選ぶことも重要なポイントです。
デザインプロセスにおいては、デザイナーが関連するデザイン計画を自ら立てることも重要だと考えます。事前調査、仮説出し、アイデア検討、仮説検証、精緻化などの適切な合意形成に至るまでのプロセスを設計し、プロジェクトのキーパーソンと早い段階で合意できるようにすることが非常に重要です。これを適宜関係者に提示しながら、状況に応じてアップデートし、推進することで、初めてプロジェクト内で適切なアウトプットやアウトカムが出せるアプローチができるようになると思います。これらを常にメンバーと共にうまくできるように努めたいと考えています。

デザイン事例

これからも、ユーザー主体のコミュニティであり続けるために

Q.プロジェクトの具体例と、その中で直面した課題とその解決策について教えてください。

「Yahoo!知恵袋」において、AI回答機能をリリースしたプロジェクトは大きな挑戦でした。「Yahoo!知恵袋」は、ユーザー同士が質問と回答を通じて知識や経験を共有する場です。しかし、日々寄せられる膨大な質問に対して、より効率的かつ的確な回答を提供するために、AIを活用する可能性を探ることになりました。
進めていく中で課題となったのは、ユーザー中心のコミュニティにおいて、AIの存在がどのように受け入れられるかという点でした。ユーザー同士のやりとりが主体であるため、AIが突然入り込むことで違和感や抵抗が生まれるのではないかという懸念がありました。また、当時は競合サービスにも類似機能が存在していないため、前例がない中で進めていくことになり、ユーザー体験だけでなく、法務や技術の観点など、あらゆる側面で慎重な検討が求められました。
限定的なテストをしながら徐々にユーザーに機能を解放していき、反応を伺いました。デザイン面では、あくまでユーザーが主役であることを強調し、AIが前面に出すぎないような工夫をしました。ユーザーが自然にAIを使える環境を整えるため、UIや導入の仕方に細心の注意を払いながら進めました。

Q.そのプロジェクトで得られた成果はどのようなものでしたか?

結果的に、リリース後のユーザーからの反応は好意的なものが多く、AIとユーザーが共存できる可能性が見えてきました。もちろん、まだ改善の余地は多々ありますが、今回のプロジェクトで、AIとユーザーがより良い関係を築くための土台を作ることができたと感じています。これからも、ユーザー主体のコミュニティであり続けるために、AIがどのように貢献できるかを模索しながら改善を続けていく予定です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、「Yahoo!知恵袋」のデザインを管掌する杉山さんに、求人の背景とデザイン哲学、デザインアプローチについて語っていただきました。
この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ採用情報をご確認ください。ご応募お待ちしております。

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