【アンケート公開】これからのオフィスのあり方
こんにちは、スペースデザインチームです。
私たちはLINEのミッションである「CLOSING THE DISTANCE」と価値基準である「WOW=NO.1」を体現するために、LINEのオフィス・イベント・インテリアなど、空間に関わるもの全てをデザインする、IT企業には珍しいインハウスの空間デザインチームです。
今回は私たちが昨年9月に行った、クリエイティブセンターに所属するメンバーを対象とするアンケートについてお話したいと思います。
ご存知の通り、この2年間で世の中の働き方をめぐる状況は大きく変化しました。LINEも例外ではなく、2020年以降新型コロナウイルス感染症拡大により多くの部署で在宅勤務が導入され、2021年からはオフィスでのグループアドレス制度が採用されました。
スペースデザインチームにとって一番身近な組織であるクリエイティブセンターでリサーチを行うことによって、私たちのワークスタイルがどのように変化しているのかを把握し、今後のオフィス作りの参考にできればと考えアンケートを実施しました。
ライフスタイル全般の変化
ワークスタイルに限らず、たとえば休日の過ごし方にしても、以前なら昼間はランチやショッピングに出かけ夜は仲間と飲み会を楽しむというよくある1日だったでしょう。しかし、今はフードデリバリーを利用したり配信サービスで映画を観たり、そしてたまに近場でリフレッシュしたりするといった、これまでとは違った過ごし方をしている人が多いのではないでしょうか。
働く日の過ごし方に関しては、以前はあまり選択肢が多くありませんでした。ほとんどの人は出かける支度をして電車で出社し仕事が終われば帰宅する、そんな日常だったことと思います。今では在宅勤務はもちろん、家の近くのサテライトオフィスを利用して働くことや、旅行や帰省の一部を仕事にあてるワーケーションなどの働き方を導入する企業も出てきています。3年前、5年前には考えられなかったような変化がライフスタイルにもワークスタイルにも生じ、多様性や選択肢が生まれてきました。
世界的なIT企業の対応は?
世界的なIT企業を見てみると、Salesforce、Meta、Twitterはオンライン勤務を推奨している一方でAmazon、Apple、Googleは週3日のオフィス出社を求める動きがあるなど、企業によってその対応は様々です。また、同じ企業でも方針が変わるなど手探りで進めている部分があるようにも見えます。社会がまだ変化の最中である以上、それはある意味当然ともいえるでしょう。
クリエイティブセンターにおけるワークスタイルの現状
さて、冒頭のアンケートに話を戻しますと、回答者の中で割合が多かったメンバーの属性は、オフィスまで30~45分程の賃貸住宅に住む30代の単身女性でした。
在宅勤務に対する満足度は比較的高く、グループアドレス制度に対しても満足・どちらでもないとした割合が高いという結果でした。(グループアドレスについては、まだ出社率が低い状況なので実際に経験している回答者が少ないことも関係していそうです)。一方で、もし新型コロナウイルス感染症が収束したとしても出社しないことを選択したいという人は5割近くおり、この辺りは今後のオフィスの在り方について考えると興味深い結果となっています。
アンケートでは「パフォーマンスの向上に必要だと思う要素」についても質問をしました。回答は「物理的な環境」、「立地」、「働き方のシステム」、「その他」の大きく4つに分類できました。
その内容は、椅子やデスクのクオリティーや、快適な温度湿度といった働く上での物理的な環境から、ライフワークバランスを担保できる制度面などパフォーマンス向上につながる要素は多岐に渡っています。その中でも「個室」、「自然・郊外」、「フレキシブルな働き方」といった回答は以前の働き方ではあまり言及されていなかった要素ではないかと思えます。在宅勤務を続けることで働き方に対して求める要素が変化している様子がうかがえました。
また、「コミュニケーションをより良くするために必要だと思う要素」についても質問をしました。その回答は「オフライン(でのコミュニケーション)」、「オンライン(でのコミュニケーション)」、「その他」の大きく3つに分類でき、オフラインでカジュアルに話せる場所や、偶発的に出会える場所、またランチや飲み会がコミュニケーションには重要だという意見が見られました。
その中でも「オフィス以外でメンバーと会いやすい場」や特に「オンライン」に関するコミュニケーションに言及する割合が多かったのは私たちも意外でした。在宅勤務を続ける中で、オフィスと自宅以外の場へのニーズが出ており、オンラインでのコミュニケーションが不可欠な要素になりつつあると感じました。
上で見てきたように、ワークスタイルの変化はライフスタイルにおいて重要視している要素とも関係しており、多様化しているのだなと気づかされました。オフィスに求められる役割も常に一定なのではなく、今後どんどん変化していくのではないでしょうか。
今後のオフィスをどう作っていくか?
多様な選択肢が増えている中、要素が固定化されたオフィスを作ることはとても難しくなっています。一時的には「正しい」と思えた選択も数年後には変化しているという状況が予想されるからです。
そこで大事なのは、将来、想定していなかったような変化が起きた時のために、柔軟性の高いオフィスにしておくことです。
私たちスペースデザインチームが考えるオフィスは、オープンの時に全てが完成され固定されているようなオフィスではありません。むしろ社会や会社の状況に合わせて変化できる余白を残して、使いながらその時々で最適なオフィスにできる柔軟な空間づくりをしていくことが大切だと考えています。
これからもLINEのスペースデザインの情報発信を続けていきますので、ご期待ください。