「Designship 2020」に参加したLINEデザイナーのレポートをお届けします!
10月24日・25日にオンラインで開催された日本最大級のデザインカンファレンス「Designship 2020」に、クリエイティブセンターのデザイナーが参加しました。今日は参加デザイナーのレポートの一部をお届けしたいと思います。
Day1
・齋藤精一さん:脱境界
目の前の課題において柔軟にソリューションの形を変えて対応しているのが印象的でした。COVID-19によって世の中のこれまでのあらゆる方程式が通用しなくなったことを指摘し、これからは「いのちの豊かさ」を意識してデザインしていくフェーズだとおっしゃっていたのが印象に残っています。(BXデザイナー)
・岩渕正樹さん:リアリティをデザインせよ - 2020年代のスペキュラティヴ・デザイン
Speculative DesignもDesigned Realityもそうですが、緊急事態の想定や起こりうる未来の可能性に対して、デザイン面からの施作が求められているように感じます。
普段、各事業部からの依頼でデザイン作業が始まりますが、技術者や企画者を巻き込んだR&Dやデザインドリブンの在り方として、今後取り入れていくことができれば面白いと感じました。(BXデザイナー)
・檜垣万里子さん:描いてみつけるプロダクトデザインの工夫
イラストを通じて「自分の好きを再認識」し、原点に回帰できる機会を得られることを知りました。「描くことは見ること」という名言の通り、スケッチしてみて初めて理解できるプロダクトのこだわりや気づきがあるそうです。
自分のデザイン領域でも、ロゴデザインやUIデザインの基礎を学ぶにはスケッチ(トレス)はとても大切と言われているので、まずは習慣にしてみようと思いました。 (BXデザイナー)
・佐藤洋介さん:ONLINE EVENTにおけるデザインの可能性と体験の未来
コロナ禍における、オンラインでのユーザー体験や演出デザインについてのお話でした。
新しい創意工夫として挙げられていたのは、臨場感を追加して五感を補完することや、便利なツールを駆使して共同編集やイベント参加の体験の敷居を下げること、人々の能動性を促して実体験感をUPさせるなど、リアルタイムなソリューションの数々が印象的でした。
また機械と同じく人間も進化するので、今のようなオンライン環境をさらに活用できるようになり、オフライン・オンラインを併用して行き来する未来が訪れるのではないかといった展望にも魅力を感じました。(BXデザイナー)
・中里唯馬さん:ウィズ・アフターコロナ時代における新しいファッションデザインと衣服の在り方
普段関わりが無い分野のデザイナーの話が聞けたのが面白かったです。「捨てられない」衣服には個人の記憶が結びついているという話や、そのようなストーリーを年齢やライフスタイルに合わせて引継ぎつつ変化させていける、これからの衣服のあり方についてのお話が印象深かったです。(スペースデザイナー)
Day2
・灰色ハイジさん:デザインを続けるということ
渡米後の全く新しい環境でうまくいかなかった時期のお話をお聞きしました。その経験を通して、言語の壁だけではなく”初めて”という環境では皆が戸惑うことに気付き、「デザインに関して苦ではない」と意識することでスクールの課題に取り組めるようになったことまでの経緯が印象的でした。
「自分が積み上げてきたものはなくなったわけではなく、最後には自分の仕事に生きてくる」「自分が得意なことには上も下もなく、誰かと比べるものではない」という言葉には目頭が熱くなる思いでした。
webやアプリのデザインの世界は新しい技術もトレンドも流れが速く、これまで自分が関わってきたことや向かう方向性が正しいのか分からなくなってしまうことも多いと思います。しかしその迷いも含め、経験してきたことがデザイナー自身の強みになるという言葉に深く共感し、今後もデザイナーとしての社会貢献の仕方を模索していければと思いました。(UIデザイナー)
・廣村正彰さん:デザインの速さ
情報の認識速度を意識して反映していくCIデザインのお話でした。例えば高速道路や駅などのサインはとにかく速く動いている人に認識させるデザイン。逆に水族館や美術館、お寺などのサインはゆっくりとした時間を過ごしてもらうための空間づくりをする。ショッピングモールなどはその中間…と、ユーザー体験の中でもスピードに焦点を当てた考え方を学びました。
様々な視点・評価基準を持つことで、たくさんのアイデアが生まれると考えているので、今回このような新しい視点が増えたことで、より説得力のあるデザイン制作が可能になると思いました。(BXデザイナー)
・中村勇吾さん:レンガから考える
大学時代に特別講義に来ていただいたことが何度かあったことを思い出し、懐かしさを感じつつ視聴しました。
今回のセッションでは、当たり前に見えるものでも単位を捉え直して独自の視点を持つことで、毎回新しく存在感のあるデザインを生み出せることがとてもよく理解できました。その単位の見つけ方に個人の特性が出てくるので、いつどんな発見があるか楽しみです。ぜひ参考にして今後の人生に役立てたいと思いました。(BXデザイナー)
Designship全体を通して
・登壇者からの学び・気づき
複数の方がプレゼンの中で「越境」について話されていたのが印象的かつ最も共感できる部分でした。自らの領域を定義し専門性を高めることは大事ですが、その領域に縛られることなく超えていくことも大事で、そこに新たな気づき、発見、繋がりが生まれ、そしてそれがクリエイティビティにつながると思います。(BXデザイナー)
日本のデザインについて色々な話を聞くことができ、とても勉強になりました。仕事をしながら過ごしていると、自然と自分の領域や方式、経験の中で考えることになりますが、違う分野を経験した人たちの話を聞くことはデザイナーとして良い刺激になったと感じました。実際に登壇された方々も、デザインやアートの分野だけではなく全く違う知識を持った人たちと協業をしてきた、というお話をされていました。
また、優秀なデザイナーの皆さんもそれぞれ追求する価値が様々だったことから、結局デザインに正解はないと感じました。私自身でも私がデザインをする上で一番大事に思うことを整理して、私だけのスタイ ルを見つけたいと思いました。(UIデザイナー)
・イベント構成からの学び・気づき
LINEのイベントでも様々なイベントがオンライン配信が主流となってきているので、セットや配信中のサブコンテンツなどにも注目して見ていました。
一見シンプルなセットと思いきや、全面がLEDスクリーンとなっていて、人物とスライドを立体的に見せる工夫はとてもインパクトがあって良い表現だと感じました。
ブラウザもサブコンテンツの表示/非表示が選べる仕様になっていて、多くのサブコンテンツも長時間のイベントでも見飽きて離脱しない良い工夫がしてあると思いました。(BXデザイナー)
今年は初のオンライン開催でしたが、参加者向けツールの気配り・作り込みが素晴らしかったです。
配信用のWebサイトが用意されており、登壇を盛り上げるためのチャットやスポンサー企業のイベントバナーなどがデザインされていました。また、配信サイトとは別に参加者と登壇者の交流の場であるMiroのボードもあり、こちらも素敵でした。このボードは、グラフィックレコーディングや落書きをする人、登壇者へ付箋を使って質問する参加者、その質問に答える登壇者、Miroを管理してくれているスタッフの方……などなど、Designshipに関わる全員がいる場です。イベントが進むにつれてこのボードもどんどん盛り上がっていって、オンラインでも質の良い場作りができていて素晴らしいと思いました。(UIデザイナー)
最後に
こちらで紹介した内容はレポートの一部ではございますが、参加したデザイナーたちからのレポートを読んだとき、とても充実した時間が過ごせたことがすぐに分かりました。
Designship事務局の皆様、素敵な機会を創ってくださり、ありがとうございました。
クリエイティブセンターでは、Designshipをはじめとする、様々なデザインイベントに積極的に参加したいと考えています。イベントを通して受けた刺激やインスピレーションを、サービスや情報のデザインに活かし、皆さまにお届けいたします。