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若手デザイナーが試行錯誤の末に行き着いたプレゼン「Figmaお散歩スタイル」とは?

こんにちは!
LINEヤフーでUI/UXデザイナーをしている谷尾です。業務では主に「Yahoo!検索」のUI/UXデザインを担当しています。
今回は、先日、参加・登壇させていただいたGoodpatch社主催のイベント「Designer Career Jam 2024」で私が行ったプレゼンテーションについてお話しします。
「Figmaお散歩スタイル」と名付けた、このプレゼンスタイルはありがたいことに多くの方からご好評いただきました。なお、「Designer Career Jam 2024」 は2日にわたって開催され、Day1では「企業デザイナーが向き合う制作プロセスに触れる」をテーマに、オンラインで自身の担当した案件についてプレゼンし、Day2では「企業デザイナーのリアルなはたらき方に触れる」をテーマに、学生の方々と対面でLINEヤフーのデザイナーの働き方についてお話をしました。
今回はそのプレゼンについて、制作の裏側をお届けします!


まずはプレゼンの準備!

新卒デザイナーの「リアル」の伝え方に悩む

事業会社に新卒入社した現在の私の業務は、「UIの小さな改善を担当する」といった案件が多く、他の企業のベテランデザイナーや制作会社のアウトプットと比較すると、一見地味に見える点が悩ましいポイントでした。
もちろん、小さな改善案件もとても重要で面白い仕事です。 それをどうにか知ってもらいたい…!
そのためには案件内容そのものの前にプレゼンが「聞きたい!と思えるもの」であることが重要なのではないかと考えました。

「聞きたい!」と思える、心に届くプレゼンを作りたい

私自身、3年前にデザイナー就活をしていたのでいまだにこの時期の焦りや緊張感を覚えています。そのため、少しでも堅苦しさを感じない、ラフな雰囲気のプレゼンを作りたい、そして、メモを取らなくても聞けるような「心にスッと届く」プレゼンにしたいという気持ちがありました。
そのため、今回のプレゼンでは学生の皆さんにリラックスしてプレゼンを楽しんでもらう、そしてLINEヤフーの雰囲気も同時に知ってもらうために、これまでにない自由なスタイルで自分らしさを表現していくことを目指しました。

自由なスタイル=Figmaお散歩スタイル

私の制作プロセスをどう見せるか考えていく中で、リアルをお届けするために業務で主に使っているFigmaの「生」のデータはお見せしたいなと考えていました。色々と見せ方について悩みましたが、
・資料とプレゼンで行ったり来たりする必要がない
・キャンバスのサイズや形状に制限がなく、従来のプレゼンツールのようにスライドに縛られることがない、といった自由さを活かせる
・あまり見たことのないスタイルを作れる
という点で「すべてFigma上で完結する見せ方でも面白いのでは?」とひらめきました。
また、「学生の皆さんにリラックスして聞いてほしい」という気持ちがあったので
「リラックス」を「のんびり」、そして「お散歩」へと発展させ、
「Figmaお散歩スタイル」というコンセプトでプレゼンすることにしました!

ワクワク感に訴求する

人はプレゼンテーターの話す内容だけでなく、感情も伝播すると言われています。印象的なプレゼンを作るために、なんだか見ていてわくわくするような話ができるようなデザインを考えていきました。わくわく感を出すために具体的に以下の3つを意識してみました。

①フレームにとらわれない

従来のプレゼンといえば、16:9や4:3といったフレームで作成することが一般的です。しかし、今回はFigmaを活用し、フレームにとらわれない自由な形でプレゼン資料を作成しました。
文字やイラストも枠から、敢えてはみ出させて配置しています。これにより自由でのびのびとした感じが伝わっていたら嬉しいです!

②ランダムに「あしあと」を配置する

フレームにとらわれず、ランダムな情報配置を行ったことで視覚的な疲労を引き起こす可能性がありました。
そこで、「あしあと」を配置することで、視線を誘導して次にどこを見ればよいかを自然に理解できるようにし、視覚的な楽しさを提供することで、聞き手の負担を和らげることができると考えました。
また、今回のプレゼンテーマが「お散歩」であることから、「あしあと」を使うことで、まるで一緒に歩いているかのような楽しさを感じていただけていたら嬉しいです!

③「かわいい」を散りばめる

私は卒業研究で「かわいい」という形容詞をテーマにするほど、「かわいい」に興味を持っています。
「かわいい」を散りばめることでわくわく感と自分らしさが両立できると考え、プレゼンにポップなイラストや動物のあしあとなどの「かわいい」要素を盛り込みました!


登壇本番!事業会社の新卒デザイナーの「実は…」

こうして作り上げたプレゼン。当日は私が1年目で担当した案件の事例をいくつかご紹介しました。
事例を紹介していく中で事業会社のUI/UXデザイナーの「実は…」に触れたのですが、その内容について再度簡単に紹介します!

その1:リリースしてから長く愛されるために既存のUI/UX改善はとても重要な仕事!

既存のUI/UX改善は、一見すると規模が小さく地味に思えるかもしれませんがサービスがリリースされた後もユーザーに長く愛され続けるために欠かせない重要な仕事です。
プレゼンでは、私が新卒1年目で配属後初めて担当した案件を紹介しました。この案件では、画像サイズを変えて端末サイズごとのファーストビューを調整し、よりユーザーの回遊が増えるようにUI/UX改善を行いました。
サービスが今抱えている課題を解決することでよりユーザーに寄り添ったサービスへと成長し、ユーザーとの信頼関係を築き、より「便利」と思ってもらえるようになると考えています

その2:バナー制作はサービスにとってもデザイナーにとっても大事な仕事!

バナー制作に対しては、単調だったり地味な作業に見えることからネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、実際はバナー制作も大事な仕事です。
サービスの認知度を高め、魅力をユーザーに伝えるための手段として、バナーは効果的なツールだからです。
また、デザイナーにとってもバナー制作は貴重な学びの場です。制作をする中で情報の整理、視線誘導といったデザインの基礎が身につきます!
工業大学出身の私は、入社当時はグラフィックデザインに関する知見が少なく、はじめはバナー制作に対して苦手意識もありましたが、チーム先輩が丁寧にコメントや指導をしてくださるおかげで、バナー制作を通じて多くを学ぶことができています。(先輩、いつもありがとうございます!)
このように、バナー制作は、サービスのマーケティングに貢献するだけでなく、デザイナーとしての成長にもつながる重要な仕事です。

その3:社内のチームに対しても「デザインの力で貢献できる」のがデザイナー

デザイナーは、ユーザーに対してだけでなく、社内のチームに対してもデザインの力で貢献できます。
例えば、プロジェクトのストーリーを可視化する際に、イラスト付きのシナリオを作成することで複雑なフローをわかりやすく伝えることができたり、カスタマージャーニーマップやペルソナ作りをリードすることで、チームメンバー間の認識を統一し、プロジェクトの方向性を明確にすることに貢献ができます。
このように、会社の中、チームに対してでも、場所を問わずデザインの価値を提供できるところはデザイナーの仕事の面白さだと思います。

LINEヤフーのデザイン文化があったからこそ作れたプレゼン


LINEヤフーの UI/UX デザイナーは、プロジェクトの上流段階から企画・デザインに参画することが多く、常にユーザーにとって最適なUI/UXを提供することを目指しています。この文化は、指示通りに動くだけでなく、自ら課題を見つけ出し、主体的に行動することを奨励する環境によって支えられています。このような環境があるからこそ、今回のプレゼンも10分間すべてを任せられ、自由に表現する機会をいただけました。
さらに、LINEヤフーは「ユーザーファースト」の考え方が社内に浸透していると強く感じています。そのため、今回のプレゼンもユーザーである学生の皆さんのことを第一に考えながらプレゼンを作成することができました!
また、1年目から幅広い業務を経験させてもらえたため、今回様々な切り口からプレゼンを構成することができました。
LINEヤフーのデザイン文化があったからこそ、今回のプレゼンは実現できたと感じます!

さいごに

今回の2日間のイベントで、LINEヤフー以外のデザイナーの方々のデザイン制作への向き合い方に触れることができたり、学生の皆さんと直接お話しできたりと、充実した時間を過ごすことができました。
また、社内からは以下のような評価もいただきました。

初めて見るプレゼンスタイルで驚きました。スライドをめくっていくのが当たり前と考えており、16:9のスライドの中で情報をどう見せるかばかりを考えていましたが、谷尾さんはデザイナーらしく自由闊達かつ緻密な発想で、ユニークで参加者にも優しいプレゼンを発明されました。当日参加していた他社の担当者からも絶賛されていたので、もっとたくさんの場所で披露してほしいですね。
-デザイナー採用広報担当

この経験を通じて、デザインが持つ力を改めて実感しました。プレゼンを聞いてくださった皆さんに感謝するとともに、これからもデザインを通じて新しい価値をたくさん生み出していきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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