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大崎オフィスのデザイン的特徴とLINEの空間デザイナーでいるということ

LINEのクリエイティブセンターにはIT企業には珍しい「スペースデザインチーム」が存在します。どんなチームグループなのかについては、以前にメンバーが書いてくれたこちらの記事をご覧ください。

スペースデザインチームにおいて大きな割合を占める業務の1つに「オフィスのデザイン」があります。私も聞いて驚いたんですが、実は1箇所のオフィスデザインが終われば次のオフィスというように、頻繁にオフィスのデザインが行われているそうです。それだけ新しいオフィスが次々と出来上がっているということですね。
今回は、その中でも東京都品川区・大崎にある、大崎ガーデンタワーに入っているオフィス(以下「大崎オフィス」)について、実際にオフィスデザインを担当したスペースデザインチームのメンバーに話を聞いてみました。
IT企業の中で働く空間デザイナーが如何なるものか、少しでもお伝えできたら幸いです。
数々のオフィスデザインに携わってこられた、スペースデザインチームの荻野沙椰さんに語っていただきました。

大崎オフィスの特徴

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この大崎オフィスは、東京都新宿区にあるLINEの本社(以下「ミライナオフィス」)に次ぐスケールの大きなオフィスになります。
ほかのオフィスと統一している点として、お客様がお越しになるフロアのエレベーターホールを降りるとパブリックスペースが見えるようにしています。エレベーターを降りて扉が閉まっていると、どっちに行けばいいかわからないし、迷うかもしれない。そういったことを避けるためにミライナオフィスもそうですが、入ってすぐにレセプションが見えるようになっています。レセプションにキャラクターの「ブラウン」がいる、という作りも共通にしています。

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オフィスをつくる上で大切にしている「”WOW”を生み出す空間」というコンセプトに、ブラッシュアップを重ねたのが大崎オフィスです。例えば、ミライナオフィスではコミュニケーションエリアは建物中央側にまとまっていますが、大崎オフィスはワンフロア一周約300mある特性を活かして窓際にコミュニケーションエリアを設けています。

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社員の憩いの場。オフィス内にある「カフェ」

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LINEの各オフィスには、社内にカフェが設けられています。大崎オフィスにも広さ568.9㎡のカフェがあり、ソファ席、テーブル席、カウンター席などさまざまな席を183席分用意しています。ノートパソコンを持ち込んで仕事もできますが、くつろげる場所として、ごろ寝もできるリラックススペースを作っています。リラックススペースは畳ではなく、ボロンという床材を使っています。プールなどにある濡れても大丈夫な床材を使用し、汚れても拭くだけでお手入れができます。

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窓際をデザインしていくにあたって、街中のストリートのようにカフェや公園のような雰囲気、様々な機能が歩いていて感じられるようにしたいと思ったので、ラウンジチェアだけでなくアウトドアファニチャーも取り入れて、そのストーリーを感じられるようにしました。

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また、大崎オフィスには、会議室とカフェだけでなく、カフェと執務室の間に設けた「オープンスペース」にカジュアルなミーティングができる役割を持たせています。

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ミライナオフィスのレセプションの課題として、待合以外に使いづらいということがありました。そこで、約束の時間を待つ間、お客様が気軽にLINEのFintechサービスを試していただけるエリアを作りました。

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すべて異なる表情をもつ「会議室」について

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ミライナオフィスは会議室ごとに、すべて異なる椅子にしています。大崎オフィスは、椅子だけでなく、照明も全て会議室ごとに異なるものを選びました。ミライナオフィスも元々「家くらいカジュアルにミーティングがしたい」ということでダイニングテーブルのようなテーブルや、ダイニングチェアを入れましたが、大崎オフィスの会議室はよりリビング感を演出し、照明も変えることでそのコンセプトをより強く押し出しました。
会議室の課題として、会議に入るメンバーの人数が多く、会議室にある椅子が足りないというシーンが多々あります。ただ、多くの人が入る大きな会議室ばかり作るのは空間も限りがありますし、根本的な解決ではないと考えました。その改善策として、大崎オフィスでは会議室の壁側にソファを設置し、拡張性を担保しています。これは、こだわりポイントです。

次々に空間デザインをブラッシュアップできる

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例えば依頼された外部のデザイナーとして家をつくったとします。完成後、入居者が家具を入れたり絵を飾ったりして空間はどんどん良くなっていくはずなのに、デザイナーはその育っていく過程を見ることができません。
私は入社して4年で、全部で4箇所のオフィスデザインに携わりました。最初に携わったのはミライナオフィスで「”WOW”を生み出す空間」というコンセプトは一緒ですが、その後に携わっている各オフィスでは少しずつ改善を重ねています。それは、外部のデザイナーにはできないと思うんです。中にいるデザイナーだからこそ、少しずつ改善しながらやれるんです。

LINEという会社の成長の早さに応じて、働く社員が増え、どんどん空間が必要になってきます。1年のあいだに何か所もの自社オフィスのデザインに携われるというそんな環境は他にはありません。そうすると、中にいる自分たちがもっと良くしようとフィードバックし、どんどんよくなっていく姿が見られるのは空間デザイナーにとって、とても嬉しいものです。それは他では絶対に経験できないし、LINEならではの魅力です。他ではこんなにオフィスをつくることないでしょうから(笑)
日々成長するLINEのインハウスデザイナーだからこそできることがあります。同じものを作るのってつまらなく思われるかもしれませんが、この数を作り続けると違ってくるんですよね。LINEならではのスピード感があるからこそ、とても魅力的な作業になります。

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私たちは表面的なデザインにこだわっていません。LINEらしいやり方、LINEらしさをまとめた「LINE STYLE」をどう実現させるか、例えばスピードあるコミュニケーションを実現できるオフィスにするにはどうすればいいか、といったことを考えています。トイレに行くまでの導線上に、上司や同僚などプロジェクトメンバー誰かがいて、すれ違う際に1~2分ほど話をして問題を解決し、仕事が進んでいくという体験を、オフィスデザインを通して実現したいんです。今のオフィスで出てきた課題を次のオフィスで改善するという仮説と検証のスピードがとても早い。これはLINEならではだと思います。

クリエイティブセンターでは現在、空間デザイナーを募集しています。ご興味をお持ちの方は下記リンクをご確認ください。



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