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組織スキーマ設計中心のデザインシステム

LINEクリエイティブセンターで、UIデザイン室の副室長とデザイン標準化チームのマネージャーを兼務しているユン・ジョンコンです。
デザイン標準化チームでは、昨年下半期からデザインシステムを構築するプロジェクトを開始して約6ヶ月後の今年1月まで進行していました。現在は一段落となった状態ですが、これまで6ヶ月程度進行しながら感じたことを書き留めてみようと思います。
進行過程に関して語ると、紆余曲折も多かった退屈な話になりがちなので、今回の記事では簡単にデザインシステムの概念について個人的な考えを中心に話をしたいと思います。

デザインシステムの構築に際して

最近多く挙げられているデザインシステムはプロセス、アウトプット、範囲、規模などの面で多少の差はありますが、ほとんどのデザイン組織で一貫した方向性を持っています。
しかし、その完成は一朝一夕では成し得ないものです。
おそらく組織の中でデザインシステムを作ろうと宣言すれば、デザイナーは頭の中に苦難の道を思い浮かべることでしょう。すでにいくつかの事例が提示されて、デザインシステムの構築がいかに難しいかは知られているところだからです。
また、そもそもそのデザインシステムがうまく機能しているのかどうかを判断するためには長い時間をかけて見守る必要があります。

そのため、私たちデザイン標準化チームでは、デザインシステム構築にあたり最初にこのような疑問からスタートすることにしました。

1.何をシステム化するのか
2.システム化されたデザインは私たちの組織にどのような影響を与えるか
3.デザインシステムに効率以外のどんな価値を持たせるべきなのか

デザインの何をシステム化するのか

デザインをするという行動は、簡単に以下のようにまとめることができます。

・入力 – デザインされるべき対象に関する情報を収集
・処理 – デザイナーとしての蓄積された経験とエゴが反映された判断基準を元に思考
・出力 – 結果の導出

入力から出力までの過程を一連のスキーマ(Schema)だと考えると

知識を体制化する枠組みをスキーマと呼ぶ。人間は外界からの情報を処理する過程で、構造化されたスキーマを用いると考えられている。
ラメルハートとオートニーは、スキーマを「記憶に貯蔵された一般的な概念を表現するデータ構造である」と定義し、下記のような特徴を挙げている。
スキーマは固定的な要素と可変的な要素を持ち、情報が欠けている場合は、最も典型的な値が割り当てられる。
スキーマは他のスキーマを内包するような埋め込み構造をもっている。
さまざまな抽象度のスキーマが存在する。
https://kagaku-jiten.com/cognitive-psychology/higher-cognitive/schema.html

一般的に、ある程度のキャリアを積んだデザイナーであれば、デザインに必要な数多くのスキーマを持っていることでしょう。
経験の蓄積を通じて業務の種類をカテゴライズし、同じ作業を繰り返し実行しながら1つのスキーマにまとまっていき、数も増えていくことでしょう。

組織スキーマ設計中心のデザインシステム

デザイン組織のスキーマは、組織の中でどのように意思決定が行なっているのか、アートディレクターがデザインプロセスにどの程度関与するか、あるいはどんなDNAを持っている組織なのかに応じて異なって形成されます。また、社内のデザイン組織がどのような位置に置かれているのかに大きく左右される場合もあります。
先に語ったデザイナーのスキーマは、先験的経験を通じて生成されるという話をすることができますが組織の場合は違います。組織自体は思考体系や自我を持っていないので、非常に抽象的な概念しか存在しません。
もしあなたが、過去行われた複数のプロジェクトと組織の中にデザイナーの共通認識を土台に現在の姿を分析し、体系的に定義をして理解と学習が可能なレベルに整理することができるのであれば、デザインシステムを構築するために必要な主な判断基準の軸になれると思います。

デザインシステムの悩みは続く

LINEは、多くの種類のサービスとアプリケーションを持っています。
そのため、一貫性のあるユーザー体験のためには継続性を考えたUX設計と統一性を保ったUIデザインが必要です。一方で将来の新しい時代のユーザーのために未来志向的な、そして若い目線で私たちが持っているプロダクトをリデザインする必要もあります。
急速に変化する流れの中で柔軟に対応できるシステムがない場合、デザインシステムとデザイナーを固定観念の中に閉じ込めてしまう障害になることありがちなので、デザインのシステム自体が混乱を加重させる危険性に対しては色んなところからアドバイスを聞いています。

個人的な考えを中心に話を書きましたが、皆さんの興味をひいたのか少し心配です...
次回にはデザインシステムの方法論に関して語ってみたいと思います。
このトピックについての興味があるとか、具体的なプロジェクトの進行状況について知りたい場合はコメントをお願いします。

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