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デザイナーを新卒採用したい企業の担当者様へ

皆さん、こんにちはCX Planning1チームのGOです。
私は、UIデザインをやるかたわら2019年1月からCREATIVE CENTERにおけるデザイナーの採用業務に携わり、同年7月からはUIデザイナーを辞めてデザイナー採用や組織PRなどの課題解決を仕事の柱としてきました。
当初は、新卒採用の現場においてCREATIVE CENTERの認知度も業務への理解度も皆無に近かったのですが、様々な活動を重ねていくにつれて、目標に対して満足できる結果を得られるようになってきました。
そこで、この記事は私たちCREATIVE CENTERが採用部門と共に取り組んできたデザイナー新卒採用の歴史を施策から振り返ってみたいと思います。
そして、これを読んだ企業の方がデザイナーの新卒採用をもっともっと推進したいと思ってもらえれば嬉しいですし、デザイナーを志す就活生の夢が一つでも多く実現すればと願っています。

直面したデザイナー新卒採用採用の課題と施策

デザイナー新卒採用を行う理由は、企業によって様々だと思いますが、新しい価値観の導入・成長への期待・先輩社員の成長促進などが主なポイントではないでしょうか。
私たちもそれを期待して、新卒採用を行っていました。しかし、それまで新卒採用の門戸は開けていたものの、特別な活動をしていなかったので応募は多くありませんでした。。そのため当初の課題は、大学、専門学校などの教育機関だけでなく就活生そのものにも CREATIVE CENTERの存在はほとんど知られていませんでした。もちろん「LINE」というアプリは多くのユーザーにご利用いただいていますが、はじめて参加した合同説明会イベントで就活生の方々から聞いた言葉に私は置かれている状況を嫌でも把握せずにはいられませんでした。

「LINEってデザイナーいるんですか?」
「LINEのアプリに、そんなにたくさんデザイナー必要なんですか?」
「日本で作ってるんですか?」

当時も多くのユーザーにご利用いただいていたLINEのユーザー数イコール組織の認知だと勘違いだと勘違いしていたのかもしれません。
これが私たちのデザイナー新卒採用のスタートです。認知と理解もほぼゼロ。そこで私たちはまずは組織名と共に新卒採用を行なっていることを知ってもらう必要があると考えました。

新卒採用のための認知度と理解度を上げるための施策

上記のような経験から、私たちが今までに取り組んできた主な施策についてお話しします。

SNSとオウンドメディアの開設・運用

まず、CREATIVE CENTER内に採用を目的としたタスクフォースが設立されました。このことが組織を挙げて採用にあたるという意識作りのキッカケとなったと思いますし、様々な動きがやりやすくなりました。それに伴い公式TwitterとInstagram、noteを次々に開設。当初組織内の反応は「何も投稿することなんてないよ」というものでしたが、それは謙遜だと私は思っていました。日々素晴らしいアウトプットをしているLINEのデザイナーが、世間にシェアする情報を持っていないわけがないからです。そのことを根気強く説きながら、定期更新するシステムを構築し、自らも率先して公式SNSへの投稿を続けました。

教育機関との関係構築と説明会への参加

また、教育機関との連携も行なっていきました。LINEがデザイン職を採用していることは学生はもちろん、大学や専門学校の担当者でもご存知ないことがほとんどという状態でした。
そこで、まず CREATIVE CENTERに所属するデザイナーの出身校をヒアリングし各学校を「ターゲット校」と仮定。そこにデスクトップリサーチで選定した学校を加えてリストを作り、新卒採用チームと連携して、まずはご挨拶と新卒採用を行なっている旨を連絡しました。直接訪問し、就職課やキャリアセンターの職員の方に説明させていただいたケースもあります。当初は予想以上に私たちのことを知ってもらっていないことにショックを受けましたが、卒業生がいることを説明するなどして地道に関係性を構築することで、学校主催の合同説明会などのご案内をいただけるようになりました。
就職活動において学校が持つ影響力は大変に大きく、学生にとって貴重な情報源であるため、この活動は地味に思えても大切です。

採用イベントへの登壇

私たちが初めて参加した採用イベントは、ReDesigner for Student主催のReDesigner Meetup 2019でした。デザイナーを目指す学生とデザイナー採用を行っているIT業界6社が直接コミュニケーションを取れるというイベントで、私たちの活動を見たReDeignerさんが声をかけてくださったと記憶しています。
「LINEのデザイナーがどういった環境で、どのように働いているのか」を中心にプレゼンをし、現役デザイナーとの交流タイムもありました。
ここで就活生と初めて直接会話できたことがその後の新卒採用施策に大きな影響を与えたことは言うまでもありませんし、デザイナー志望の学生を受け入れたいと考える「同志」との出会いがあったことからもターニングポイントとなる出来事だったと思います。

ミートアップや自社採用説明会の開催

ミートアップや自社説明会も早い段階から開催していました。正直に申し上げると、他社さんが開催されていたことに憧れていた、というのが強いかもしれません。
私はもちろん部署にとっても何から何までほとんど初体験という状態で、手探りで進めてしまっていました。(今思えば会社にはこのようなイベント開催の経験を豊富に持った人がいたので、相談すればよかったのですが)。
募集人数を決めるにあたっても「そんなに興味を持ってもらえるだろうか」と不安に苛まれており、当初想定していた募集人数は30人でしたが、チャレンジの意味をこめて80人を設定。結果としてその募集人数もあっという間に埋まってしまい、心配は杞憂に終わりましたが、逆にこんなにも興味を持ってくださる方がいるのかと自信がついたことを記憶しています。

イベントという点でいうと、人事側の採用担当者だけでなく、現場のデザイナーが参加することが絶対に不可欠だと考えています。
これまでの経験上、会社概要や福利厚生のような採用サイトに掲載されている情報を話すことを就活生たちは求めておらず、「どんな人と将来一緒に働くのか」に興味があると感じたからです。
だからこそ、現場のデザイナーが顔出しで自らの業務体験をざっくばらんに話したり、質疑応答に対応することが強力な興味づけになるのです。
「採用活動について、現場があまり積極的ではない」という悩みも、よく耳にします。弊社も残念ながら当初はそうでした。そこで、地道に新卒採用のメリットを説きながら、デザイナーやデザインマネージャーの負担をできるだけ減らしつつ、現場を理解したメンバーが主体となって活動していきました。
2年目、3年目になると、そんなイベントがきっかけになって新卒デザイナーが入社してくれることになります。すると、その方たちはかなりの確率で積極的に新卒採用に関与してくれました。自分たちが就活中に経験したメリットを、後輩たちにも感じて欲しいという理由からです。
1年目よりも2年目、2年目よりも3年目と新卒採用に手応えというか「報われている」という感じが得られるようなったのは、このようなメンバーがどんどん増えていったからだと思います。
新卒採用のデザイナーが活躍し実力を示し始めると、組織としてもメリットを感じざるを得ず、どんどんと新卒採用に積極的にもなっていきました。

外部メディアへの露出

外部メディアへの露出も認知と理解を深めるためには、大きな効果があったと思います。まず、会社の広報部門に組織のプレゼンテーションをして理解を深めてもらった上で、すでにつながりのあるメディアを紹介してもらいました。広報部門からの組織理解が深まるにつれて、寄せられた取材依頼も適切に回してもらえるようになりました。メディアの多くは中途採用向けの記事が多いように思いますが、メディア掲載による認知の拡大も実感しています。

就活プラットフォームの活用

また、デザイナー就活プラットフォームを活用するのは、新卒採用に多くのリソースを避けない組織にとって、とても有効です。
先述したReDesigner for Student には、企業と学生の間に立って並走してくれる優秀なキャリアデザイナーが多く在籍されており、イベントをはじめとする学生との関係性構築に大変な尽力をしていただきました。

言うまでもなく、採用活動はデザイン組織だけではなく会社の採用部門と連携して行わなければなりません。結局私たちはデザインやデザイナーのことはわかっても、「人材を採用する」ということ全般について何もわからないからです。
どんな時期にどんな活動をやったほうがいいのか、どんな情報を用意するのかなどは採用部門からアドバイスをいただきながら、私たちは活動や情報の精度を高めることに注力していきました。
たとえば、公開される採用情報(JD)の内容は必ず目を通し、より実態に沿った内容にアップデートすることは必須だと思います。

SNS広告

TwitterとInstagramを掲載対象としたSNS広告は、小規模な予算でもターゲティングを適切に行えば、採用活動の認知拡大と母集団形成に大きな効果があると実感しました。
どんなクリエイティブ、どんなテキストメッセージ、どんなターゲットが効果があるのかは「やってみないとわからない」というところもあるので、少額で短期間でもトライ&エラーを繰り返してみることをオススメします。
私のチームには広告プランナーの経験があるメンバーがおり、代理店とのやりとりから出稿、その後の分析まで行えたのはとても助かりました。

インターンシップの開催

新卒採用施策の中でもっとも大変で、でもダイレクトに効果が出やすいのがインターンシップの開催です。デザイナー就活の早期化もあり、インターンから新卒採用という流れは各社が期待されているのではないでしょうか。母集団形成やプログラムの構築、実施、その後のサポートなど、考えるべきはたくさんありますが、新卒採用後数年の未来から逆算することで、あるべきインターンの姿は明確になってくるのだと担当する中でわかってきました。

インターンの企画・運用については以前このような記事も書いています。

OB訪問やカジュアル面談の受け入れ

組織での活動はもちろん、私個人でもOB訪問やカジュアル面談など積極的に受け入れるようになりました。年間40人程度ですが、その中から内定応諾まで進んだ方が複数いたので、濃い関係性と深い理解を得るためにはこれも重要だったのかなと思っています。

振り返ってみると2019年から組織の認知と理解の向上、そして新卒採用の成功のために必要なことが何なのか迷いながらも「とにかくなんでもやる」というスタンスで取り組んでいたと思います。 今も正解はわからないので、スタンスは変わっていませんが、一定の結果は出ているため私たちのチャレンジは成功と言ってもいいのかもしれません。

新卒採用においてデザイナー人材を確保する必要性

最後に、私が考える新卒採用においてデザイナー人材を確保する必要性についてお話しさせてください。
デザイナーの役割はますます重要性を増しています。今日のビジネス環境では、デザイナーは単なる審美性を追求するだけでなく、ビジネスの中心的な役割を果たす存在です。UXやデザイン思考を通じて、顧客のニーズを理解し、使いやすいプロダクトや魅力的なブランドを生み出す能力が求められますし、グローバルな視点でデザインのトレンドや潮流を把握し、国内外の文化やニーズに対応する能力も求められます。
また、問題解決能力や創造性も必要であり、独自のアイデアや解決策を提供することで、組織の競争力や顧客満足度の向上に貢献することも期待されています。
これからの時代、デザイナーはビジネスの成長において重要な役割を果たし、組織のブランド価値を高めるために必要不可欠な存在となるでしょう。
デザイナーの新卒採用はコストを抑えつつ、優秀な人材を獲得できるチャンスなので、今後ますます重要になってくると考えています。

デザイン部門と採用部門がタッグを組んだからこその新卒採用

これまで色々とお話ししてきましたが、デザイナー新卒採用が軌道に乗ったのはもちろん私の手柄ではないですし、私のチームだけの手柄でもないです。新卒採用に長年携わってきた採用部門の皆さんのサポートあってこその結果であることは言うまでもありません。
デザイン部門は求める人材を明確にして採用情報を作るだけではダメで、自分たちで広く組織やデザインについての考え方、そして「どんな人間が働いているのか」など雰囲気を伝える活動をしなければなりませんし、それができるはずです。
一方、採用部門の方々は間違いなく「採用のプロ」であり、就活の制度や学生心理、様々な施策に精通しています。ですが、デザインの現場の情報や雰囲気を十全に伝えるのは難しいでしょう。
私たちのチームは、まさにデザイン部門と採用部門の架け橋というポジションで活動を続けてきました。専用のSlackチャンネルで毎日何らかの情報交換をし、週に一度の定例ミーティングも開催。こうすることで、関係性も良くなりますし、採用部門のデザインへの理解も深まっていくので、良いことづくめだったと思います。
デザインと組織への深い理解と新卒採用への強いモチベーションを併せ持つチームと、デザイン新卒採用に情熱を燃やしてくれる採用担当者がタッグを組んだからこそ、今日のデザイナー新卒採用があると自負しています。
なお、デザイン組織が小規模かつ全体で新卒採用への強いモチベーションがあれば特別にチームを編成する必要はなく、リソースを調整した上でデザイナー数名が新卒採用を担当するというスタイルでも十分に対応可能だと思います。

年々、デジタルプロダクトに関わりたいというデザイン系の就活生は増えていると感じています。また、デザイナーを採用したいという企業も増えてきているのではないでしょうか。
一見、需要と供給がマッチして皆が幸福なように思えますが、必要とするスキルや人物像が合わないと、逆に誰も幸せにはなりません。
私たち企業側の人間は、できる限りの情報を公開し、たくさんの就活生と接点を持ち、理解を深めてもらわなければならないでしょう。
新卒採用の施策は、イコール自分たちのデザインに対する考えを広く深く就活生に知ってもらうための施策と考えるのが良いかもしれません。

お読みいただいた企業の皆様、よかったらぜひ感想や質問、こんな施策も良かったよなどをコメントやSNSでお聞かせください。
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