ユーザーとサービスを近づけるブランディング
こんにちは。BXデザイン1チームの李コウンです。
昨年から、コロナウイルスの影響で私たちの環境は大きく変わり、コミュニケーションのとり方も変わりました。Zoomを使った飲み会やミーティング、オンラインカンファレンスなど、私たちの生活において、可能な限り非対面でコミュニケーションをとる方法が模索されています。
LINEヘルスケアでは、クリニックや病院に直接行かずにLINEでお医者さんの診察を受ける事ができるオンライン診療サービス「LINEドクター」をリリースしました。今回は私がこのサービスのブランディングを担当しながら思っていたことをお話ししたいと思います。
サービスの第一印象
新規サービスのブランディングにおいて、ユーザーがサービスに親しみを持つ事がとても大切です。初めて出会ったときの自己紹介のように、まずはサービスの名前を紹介して、どういった目的のサービスなのかを一目で分かるようにブランディングする必要があります。人は何かを見た時に3秒で第一印象を決めると言われています。第一印象だけではなく、対象が好きか嫌いかの判断もすると言われているので、短い瞬間に良い印象(ブランドが目的とした印象)を与えるようにブランディングしなければなりません。
LINEドクターの場合、”医療”という特性上、専門性・信頼性などの印象を与えることももちろん大事ですが、ユーザーにより身近に感じてもらえるサービスに近づけたいという思いがありました。まずは私たちの日常でよく使うLINEのサービスであることを瞬時に判断できるように、LINEのカラーであるLINE Forest GreenとLINE FRIENDSのブラウンを使いブランディングを行いました。
キャラクターは注目度が高いため、ブランドの強い印象を与えることができます。今回はブラウンをお医者さんに変身させました。キャラクターを使用することで、親しみを感じにくい”医療”のイメージを緩和したり、新しい医療に対するユーザー・医療機関双方の摩擦を減らし、サービスに触れるハードルを下げたり…といった様々な効果を期待しています。
プロダクトデザイン
LINEドクターを導入していただいているクリニックや病院に配布するスターターキットを制作しました。ポスターやリーフレット、キャラクターシール等を制作し、各クリニックや病院にて設置や掲出をご協力いただいています。これらを目にした患者さんとのスムーズなコミュニケーションや、サービスの認知度を向上させたいという目的です。
ポスターやリーフレットなどのテキストやデザインは読みやすく、シンプルにデザインし、親切なイメージにしました。サービスが使用する文章と話し方もブランディングに影響する大切な要素だからです。
こちらは、レセプションに設置するPOPです。
レセプションでは患者さんが病院に訪れた際に、最も目に止まる場所なので、POPのサイズを慎重に検討しました。サイズが大きすぎると設置するのにスペースを広く使ってしまい、小さすぎると見つけにくいので、スマートフォンのサイズ(手の平サイズ)で制作しました。
次は小児科に配布されるキャラクターシールです。医療機関を訪れた子供たちを対象に制作し、シールを起点にユーザーと医師がサービスについて話す機会になればと思い制作しました。子供たちの安全のために、抗菌フィルムを使用して制作しました。
最後に
ブランディングはとても良い印象(目的に応じた第一印象)を与えることがとても重要です。また、そのブランディングはデザイナーひとりで行うものではなく、サービス担当の事業部と協議し企画しイメージ化することがとても重要です。
今回のLINEドクターの場合、LINEが持っている肯定的なイメージと医療サービスが溶け込んだブランディングをすることがミッションでした。どのサービスのブランディングをするかによってミッションが異なるかもしれませんが、LINEの新しいサービスのブランディングの目的は基本的に同じかと思います。
また、デザイナーが何か制作する際に抱える問題は、予算とスケジュールです。決められた予算とスケジュールに合わせて、最大のクオリティーで制作するようにしました。LINEドクターのスターターキットを制作するために、LINE Forest Greenとブラウンの色校正に多くの時間を費やしました。ブランディングのための色校正は私の経験上2〜3回ほどで決まるのですが、LINEドクターは4回に渡ってサンプルのチェックを行ったのがとても印象的でした。
コロナウイルスの時代に医療の重要性がさらに高まる中、便利に使えるサービスがあれば良いなと思っていた時に、このプロジェクトに参加することができ、とても貴重で楽しい経験をしました。
LINEドクターは、LINEアプリ上で診療の予約、無料ビデオ通話での診察、決済を完結させることができるので、忙しくて病院にいく時間が作れない方や、コロナウイルスの影響で病院に行くのが不安な方にとても便利なサービスだと思います。みなさんもぜひ使ってみてください!