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LINE VOOMの収益化プログラムとコメント機能の改善について


1.LINE VOOMとは?

「LINE VOOM」は、ショート動画などが楽しめる動画プラットフォームです。 おすすめ動画を見たり、お気に入りのアカウントをフォローしてコンテンツが楽しめます。ユーザーは投稿されたコンテンツに対して「いいね」や「コメント」をつけたり、シェアすることができます。
シェアされた動画はLINE公式アカウントの友だち以外も閲覧可能で、認知拡大にも活用することができます。

私たちは、LINE VOOM Web版とLINE VOOM クリエイターの活動をサポートするUI/UXを担当しています

「LINE VOOM」はアプリ、Web、LINE VOOM クリエイター(以下、クリエイター)の活動をサポートするUI/UXから構成されています。アプリはLINEアプリの「VOOMタブ」から見れる領域です。WebはスマートフォンやPCのブラウザで見る場合のページです。クリエイター活動をサポートするUI/UXの中心には、投稿やコメントを管理、分析できる管理ツールがあります。

私たち Design Executive Center UID2本部 UID2部では、2023年からVOOMのWeb版のデザインとクリエイター活動のサポートするUI/UXデザインを担当しています。

LINE VOOMはWebからの閲覧も可能

「LINE VOOM」を使用している多くのユーザーはLINEアプリ上で動画を見たり、動画を投稿したり、コメントやいいねをしていますが、SNSでシェアされたコンテンツやPC版のLINEから「LINE VOOM」に移動して、Web上で「LINE VOOM」を見ることができます。


私たちは「LINE VOOM」をアプリで使うユーザーとWebで使うユーザーが同じ機能を違和感なく使えるように、UI/UXの向上に日々取り組んでいます。

LINE VOOM クリエイターの活動をサポートする 「LINE VOOM Studio」

「LINE VOOM Studio 」は「LINE VOOM」の管理ツールで、Web上でコンテンツを投稿したり、フォロワーの数、インプレッション数、動画再生数(3秒以上)、合計再生時間、コメントの確認・管理などが行えます。

単純に楽しむだけではなくて、フォロワーやコンテンツを分析して、よりコンテンツを成長させることができます。収益に関する機能もあるため、LINE VOOMでの収益化を目指している方にとって重要なツールです。なお、「LINE VOOM Studio」は無料で利用できます。

2.収益化プログラム

LINE VOOM Creator Programとは?

「LINE VOOM Creator Program」(以下LVCP)とは「LINE VOOM」が提供する収益化プログラムです。審査基準を満たしたクリエイターは、LVCPに参加することで、投稿したコンテンツの再生時間等に応じた報酬を受け取ることができます。これまでLINE VOOMで活躍してきたクリエイターは、のべ1万人以上にのぼります。

6月から個人の公式アカウントも参加できるようになりました!
以前、LVCPに参加するためには、原則として、LINE VOOMパートナーを介して審査を受ける必要がありましたが、今年の6月から、条件をすべて満たすLINE公式アカウントが、LVCPへの参加を申請できるようになりました。私たちのチームではLVCPの紹介ページ作成やLINE VOOM Studioのアップデートを行いました。

紹介ページの作成

私たちはまずLVCPを多くのユーザーに知ってもらい、利用してもらうために紹介ページを制作しました。上段にはムービーを配置し、LVCPの概要を紹介しています。ムービーはテキストより圧倒的に伝わりやすく訴求力があります。次に、概要を理解できたユーザーに具体的な事例を見てもらい、その理解をより深められるよう、「先輩クリエイターの事例」というコンテンツを配置しています。

その後に「参加資格」や「収益化などの流れ」などより細かな説明を配置し、全体を通してスムーズに理解できるよう構成しました。
そして、イラストを多く使用し、LINE VOOMの楽しさが伝えられるようにデザインを仕上げました。LVCPが始まったことで、個人クリエイターにも報酬を還元できるようになりました。皆さんもぜひLVCPをご利用ください!


LINE VOOM Studioのアップデート

LINE VOOMパートナーを介さず、個人の公式アカウントからも申請できることになったため、LINE VOOM Studioでもアップデートが行われました。応募フローに関しては、3つの参加条件があります。

・LINE VOOMフォロワー数500人以上
・直近30日間の動画再生時間600分以上
・直近30日間の動画投稿数10件以上

条件を満たしている場合は応募から承認までのフローをスムーズに、条件を満たしていない場合は、次のステップを分かりやすく示し、少しでも離脱が減るように考慮しました。そして、個人のクリエイターが参加できるようになったため、支払い情報の変更や18歳未満の場合の保護者の登録情報の更新も行いました。LINE VOOM Studioは管理ツールのためページ数も多く、LVCPに関しては支払いに関する重要な情報も含むため、一貫性、信頼性、快適性にフォーカスしてデザインに臨んでいます。

イラストも刷新

既存のイラストは、LINE Design Systemに定められたスタイルのものを使用していましたが、若くて、活動的で、自分を表現するのに積極的なクリエイターたちを表すには限界がありました。それを刷新するために新しいイラストが必要でした。

今回のLVCPは個人クリエイターが収益化できる大きな変化なので、LINE VOOM ブランドデザインチームの方で従来のスタイルとは違ったイラストを作ってもらいました。私たちもアイデーションやリサーチ段階から参加して、LINE VOOMにフィットするイラスト作りに貢献しました。

LINE VOOMの主なターゲットである日本の若者にフィットするようなスタイルに進行していきましたが、日本だけでサービス展開している訳ではなく、台湾など利用ユーザーの多い主要な国のユーザーも考慮して、スタイルのバランスを合わせるのが重要でした。その結果、他のサービスでは見られない、LINE VOOMの方向性をがよく表れた個性のあるイラストが完成し、好評を頂きました。

LVCPがさらに良い循環を生む

今回のLVCPはLINE VOOMで収益を得ることに興味を持ってくれているユーザーがターゲットなので、そのユーザーに対して、収益化に関する情報をどうやったら分かりやすく伝えられるか、応募がどれだだけ分かりやすくできるかにフォーカスしてデザインしました。

イラストや動画などビジュアルの面からもブランドの「若さ」「活動的」「積極的」なイメージをより強く表現しました。今回のLVCPをきっかけに、個人クリエイターがより面白いコンテンツを作り、多くのユーザーがそれを見て、クリエイターが報酬を得る。
報酬に刺激を受けてクリエイターがさらに良いコンテンツを作る。クリエイター、ユーザー、コンテンツに良い循環を生むことを願っています。

3.コメント機能の改善

目的

公式アカウントがより積極的にフォロワーとコミュニケーションしてエンゲージメントを高め、アカウントを成長させることができるように、競合と比較して、より充実したコメント管理機能を提供するために改修が行われました。LINE VOOM アプリで改善されるコメント機能をCMS側、Web側でもUI/UXを共通化することも目的の一つです。

改修のポイントは返信の整理

改修のポイントは、コメントへの返信を分かりやすく整理することでした。
以前、返信はコメントと並列で並んでいましたが、今回の改修で視覚的にも、構成的にもより分かりやすく見せるために、一段下げた形でレイアウトできるようになりました。それにともなって、表示件数、表示順、スパムの表示ルールなどの整理が必要でした。

LINE VOOM Studioのような管理ツールは、ページ数も多く、使用頻度も多く定期的に使われるため、下記のような点を心がけて、デザインに臨んでいます。
・原理原則に沿って一貫性のあるデザイン
・必要なレスポンスが適切に得られるような信頼性のあるデザイン
・短時間で内容を理解することができ、効率的に目的を達成することができるデザイン
・ステップの削減やリアルタイム性の向上により、何度も使いたくなる快適性の高いデザイン

改善が必要になったポイント

返信や付随要素のマージンの設計
コメントと返信のマージンの設計では、アカウント名と返信、付属要素、返信の開閉、その下のコメントといった全ての要素を考慮して、どのマージンで設計するとまとまり感が出るか、ユーザーにとって理解しやすいものになるかを意識しました。

複数の返信がある場合の表示開閉のルール
複数の返信がある場合は、X件の返信ボタンと閉じるボタンがあります。返信が10件以上ある場合、「XX 件の返信」で10件ずつ表示して、横には「返信を閉じる」を置き、押した場合は全件閉じる設計にしました。様々なケースを想定して、ユーザーにとってストレスが無く快適に使えるように意識しています。

返信の入力と表示のUI
返信の入力部分では、入力ボックスの位置と返信の表示位置が離れているケースもあるので、そこを分かりやすくするためにアニメーションとハイライトを入れて、確実にユーザーに伝わるように調整しました。

返信に対する通知とリアクションもできるようになりました

今回の変更点として、返信の通知があります。コメントに対して返信があった場合は通知に表示されることで、より管理者とユーザーとのやり取りがしやすくなりました。

そして、返信に対してもリアクションもできるようになりました。返信にも気付きやすくなり、返信にもリアクションができるようになり、返信も直感的になったので、Studioを使うクリエイターにとってもよりコミュニケーション機能が強化され、利便性が上がったと思います。

スパム処理と解除の整理

今回の改善でコメントと返信が階層化されたので、スパムにも影響がありました。以前はコメントと返信が並列に並び、個別でスパム処理され時系列で並んでいましたが、今回のアップデートでコメントと返信の親子関係が強くなり、コメントがスパム処理された場合はそれに付随する返信もスパムタブで確認できるようになり、返信がスパム処理された場合は、親のコメントもスパムタブで確認できるように変更されました。

今回の改善で、コメントと返信の関係が視覚的にさらに分かりやすくなり、スパムを管理するクリエイターにとっても、コメントと返信が1クリックで見れて非常に使いやすくなったと思います。

LINEアプリのVOOMタブで見れる公式アカウント

LINEアプリの「VOOMタブ」で見られる公式アカウントページも私たちが担当しています。公式アカウント側もLINE VOOM Studioと同じようなコメントの改善を行いました。
スマートフォンはPCに比べると画面が小さいので表示件数などは調整していますが、基本的に同様の機能を追加しています。そして、よりアプリと近い体験ができるように入力ボックスをアプリと同じ位置に変更したり、返信部分も吹き出しのオブジェクトを使用して、ブラッシュアップしました。

リリース後、コメントと返信数が増加

今回はLINE VOOM全体で行った施策で、LINE VOOM Stuidoや公式アカウントのみの改善ではありませんが、リリース後、コメントと返信が全体的に増加する傾向が見られました。今回の返信機能を改修したことで、公式アカウントとユーザーがコミュニケーションが取りやすい仕組みになったのではないかと思います。

今後もユーザーは何を求めているのか、どうすればユーザーがもっと使いやすくなるのか、ユーザーを第一に考えて、コンテンツの成長に繋がることを続けていきたいと思います。

4.まとめ

今回は、LVCPのように、動画を投稿して収益を得るような、クリエイターやコンテンツを強化する施策、コメント機能のように、クリエイターとユーザーの繋がりを強化する施策を紹介しました。

私たちデザイナーは、UI/UXの面から様々なプロジェクトと関わり、動画コンテンツがより強化されて、クリエイターとユーザーのコミュニケーションが取りやすくなり、それが相乗効果を生んでLINE VOOMの更なる成長に繋がるように日々努力を続けています。

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