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【運営レポート】実施時の注意点も公開!LINEインターン(プロダクトデザインコース編)の裏側をお話します

こんにちは、クリエイティブ戦略チームのGOです。
LINE CREATIVE CENTERの夏期インターンシップが、8月15日から9月2日にかけて実施されました。そのなかで私はプロダクトデザインコースの企画運営を担当したので、企画から実施そして終了までの間のことを振り返ってみたいと思います。

なお、実施概要は以下になります。

準備のプロセス

8月の実施に向けて年明けから準備がスタート。まずは、受け入れを希望する部署と「何のためにインターンを受け入れるのか」の目線合わせを行いました。
私はインターンという機会を「相互理解の場」と考えています。新卒採用を見越しているのは間違いないのですが、それ以上にLINEのデザインについて知って欲しいし、学生のことも知りたいという思いが強かったのです。
とはいえ、インターンを「新卒採用前のセレクションの場」という一方通行的な考え方も部署内に多少あったため、意見交換をしながら合意形成を行いました。ここでの考え方を揃えておかないと、インターン参加者(以下、参加者)への対応に温度差が出てきますしプログラムの実施にも支障が出ることが予想されるので、大切な作業だと思います(相互理解の場にしないといけない、ということではなくあくまでそのように運営したいという考えに共感していただいた、という話です)。

受け入れ人数の決定

今回は、プロダクトデザインコースで3名、BXデザインコースで2名を受け入れました。たくさんの方に来ていただきたいのはやまやまですが、私たちのインターンでは、メンターとのマンツーマンを基本としています。そのため受け入れ部署のリソースと人材の確保が不可欠であり、どの程度の規模であれば受け入れられるのかを相談する必要がありました。
インターン生に満足のいく体験を提供しなければなりませんし、私たちもインターン生を理解できなければインターンを実施する意味がないからです。

なぜ実施時期を3週間にしたのか

私たちは共にデザインに取り組むなかで相互理解を進めていくとい考えでしたので、1,2日間の短期間や1週間程度の実施は想定していませんでした。とはいえ、主なターゲットとなる大学生の夏季休暇期間を無視するわけにもいかず、受け入れにもリソースがかかることから、プロダクトデザインコースでは3週間がベストだろうという結果にいたりました(初期段階では数ヶ月というアイデアもありました)。
参加者には課題発見力、問題解決力、ビジュアルデザイン力などを十分に発揮していただきたいですし、運営側はそれを確認するとともに「LINEらしいデザイン」に深く触れてほしいという希望を持っています。そのためには、3週間が必要だと考えたのです。

成長を見越したメンターの選定

誰がメンターをするのかというのも早い段階で設定しました。メンターは参加者の指導役でもありますが、他者を指導することによって自らの成長も期待できるという立場でもあります。マンツーマンという仕組みでなくても、誰にどのような成長してほしいのか、という受け入れ部署のプランと合わせてメンターを決定するのは大切だと思います。
なお、メンターにはインターンの企画立案にも積極的に関与してもらったのですが、当事者意識と情熱が高まってきたように感じました。
結果として、インターン生にとってメンターは良き先輩であり良き兄姉というような関係性も醸成でき、継続的に連絡を取り合う間柄になることができました。

取り組んだ課題

「選考課題のドキュメントをもとに、驚きがある優れたデザインに再構築する」
もしくは「あなたの日常生活から課題を発見し、それを解決するサービスをデザインする」

プロダクトデザインコースでは、課題を上記のように設定し選択制としました。結果として全員が後者を選択しましたが、身近な課題を発見し、それを解決するためにプロセスを思案し、アウトプットとして提示するというLINEのプロダクトデザイナーの業務を体験してもらえるプログラムだったと思います。
その作業のためには3週間でも短いと参加者たちは感じたでしょうが、聞き取りでは、非常に満足したという回答も得られました。
なお、当初は
・指定したプロダクトのリデザイン
・指定したテーマをもとにしたデザイン
といった課題も想定していましたが、難易度は高くなってもインターンの目的を達するために最も適切な課題として、先述したものを選定しました。
この課題には、序盤の戦略や要件を定義するフェーズが膨らんでしまい、参加者によっては表層にかかわるフェーズが短くなってしまうという難点もありました。進捗に差が出ると全体的なフィードバックも難しくなってきますので、フェーズごとのスケジュールをより明確にするなどの考慮が必要かもしれません。

成果発表会について

何を見せて欲しいのかを事前に伝える

今年のインターンでも、取り組んだ課題の成果を発表する場を最終日に設定していました。何か目標があったほうが緊張感を持って課題に取り組めるというのは言うまでもありません。
成果発表会については、「デザインのプロセスを見せて欲しい」と事前にお伝えしていました。これによって、LINEのデザインがプロセスを大切にしていることを強く認識して欲しかったのです。
去年までは漠然と「インターン期間の集大成」というような形で実施してしまっていたのですが、「何を見るのか」を参加者へ伝えることで取り組み方が明確になり集中しやすくなったのではないかと思います。

他部署からフィードバックをもらう

このインターンでは、LINEにおけるデザイナーの業務を体験してもらうことも重要でした。そのため、デザイナーとともに同じプロダクトを作り上げる事業部のPMからフィードバックを受ける機会を成果発表会では毎年設定しています。
理由としては、LINEにおいてデザイナーとプランナーは早い段階から併走してプロダクトに携わる場合が多く、フィードバックが頻繁に行われているため、その体験をして欲しいと考えたからです。
そして、もう1点。デザイナーの業務について社内理解を進めるという点でも、他部署を巻き込むというのは有効だと考えています。当初はご迷惑かなと心配していたのですが、成果発表会の内容を事業部で共有してくださるなど、今では「デザイン視点での問題解決」について理解を深めていただける場になっているようです。

実務以外のコンテンツも用意する

先述したようにLINEのデザイン職インターンは3週間という長期間で実施されます。そのため、課題のほか以下のようなコンテンツも用意しています。
・インターン生同士の交流会
・ポートフォリオ勉強会
・ライティング講座
・先輩社員との座談会
・CSMO舛田との交流会

先輩社員との座談会での一幕

3週間とはいえ、こちらが用意した課題でインターン生のスケジュールは逼迫していたと思います。制作だけを考えるのであればその他のコンテンツは必要ないのかもしれません。しかし、私たちはこのインターンを通して相互理解を促進したかったので、ただ黙々とFigmaに向かい合うだけではなくて、既存社員と触れ合うことでもデザイン哲学や価値観を知ってもらうことも大切だと考えました。
また、オンラインでのインターン実施はどうしても自宅での個人作業ばかりになりがちです。せっかくインターンに合格したのに、これではLINEの雰囲気を感じることは難しいでしょう。その対策として、多様なコミュニケーションの場を用意することでインターン生がLINEを感じることができるのではと考えました。くわえて、インターン生同士が「同期の絆」を醸成して、今後もデザイナーとして切磋琢磨できる関係性を築いてほしいという希望も個人的にもっていました。
デザイナーを目指す学生さんのなかには周囲に同じ目標を持った仲間がおらず、孤独に能力を磨いている方が少なくないと聞きます。もし、このインターンをきっかけにデザイナーを目指す仲間ができれば、新たな刺激を受けてより一層成長できるかもしれませんし、結果としてその方がLINEを活躍の場に選んでくれたら嬉しいといと考えています。そうならかったとしても仲間ができたことで夢を諦めることなく実現できたとなったら、とても嬉しいじゃないですか!

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