SNSで話題になったLINE Seed JPモーショングラフィックについて制作者に聞いてみた
私たちは、LINEの日本語版コーポレートフォント「LINE Seed JP」を2022年10月24日にリリースいたしました。その際に公開したモーショングラフィックについてSNSを中心に大きな反響をいただきましたので、今回の記事では実際にモーショングラフィックを制作したチームにその裏側を聞いてみました。
まだ、LINE Seed JPのモーショングラフィックをご覧になっていない方は、以下からご確認ください。
まずは、自己紹介をお願いします。
Motion Graphic Design Teamのキム・ソンヘと申します。現在、チームのマネージャーとしてクリエイティブディレクションとアートディレクションを担当しています。今回の映像はチーム全員が一丸となって制作しましたが、この記事では私が代表してお話しします。
動画を制作した目的を教えてください。
LINE Seed JPは、文字通り「種」として様々な制作物に埋め込まれて欲しいという願いをもったフォントです。そのためには、このフォントならではのユニークな特徴をたくさんの人に印象づける必要があると考えました。
では、動画のコンセプトとメッセージを教えてください
LINE Seed JPの大きな特徴としてSeedという名前からもわかるように、文字のコーナーが種のように丸くなっているということがあります。その他、文字自体の特徴である柔らかさや空間の広がりをモーションの動きで強調し、よりスマートでユニークな形を分かりやすく表現しました。
それ以外にも単純になった「はらい」、落とされたゲタ、句読点のアングル、漢字における「口」の形の多様性、英語や韓国語など他言語とのバランス、フォントのウェイトなど、LINE Seed JPならではの特徴をモーションとしてインパクトよく表現することには苦労しました。
このフォントをまだ使っていないユーザーが、短い映像を通じて間接的にフォントを利用した気持ちになって、良い印象を持ってもらえればと思います。
最も注目して欲しいデザインポイントは?
映像の始まりから最後までのすべてです(笑)。
特徴がとても多いフォントなので、飽きさせず魅力的に見せなければなりませんでした。そのためには文字のデザインの一箇所一箇所の形態をモーションデザインで再解釈して表現する作業が必要でした。
音楽は、蓮沼執太さんがオリジナル音楽を制作してくださいました。私たちのチームと一緒に協業しアイデアをたくさん出してくださり、さらに興味深いモーションになったと思います。ご覧になる際には是非、音楽にも注目していただきたいです。
では、モーション制作で最も苦労した点は?
開発者、デザイナーなど多くの人が関与し、一人一人にそれぞれ意見があったので、それを考慮しつつモーション的に最も良い判断をしなければならなかったことです。
全体のストーリーはどのように組み立てましたか?
ブレインストーミングを通じて、LINE Seed JP自体のストーリー、ブランディングにフォーカスしたストーリーなど様々な可能性を検討しましたが、結果的にはシンプルにデザインに軸を置いた内容を表現するストーリーに決めました。
まず、全てに共通した話が一番先に来るようにして、その後はモーション的な起承転結をベースに視聴者の反応を考慮した動きを順に決めていきました。
最後に自社でマーケティングやプロモーション用のモーショングラフィックを作る企業は珍しいと思います。
なぜLINEはモーショングラフィックを内製するのでしょうか?
スマートフォンが普及し、電車、タクシーなどの公共の交通機関でもモニターがよく見られる時代になり、人々は今、モーションに期待する時代を生きていると思います。その中でそれぞれのブランドの声を出す時代が来たと思っています。過去に静止画でロゴを見てブランドを理解したのなら、モーションにもブランディングの特徴を盛り込んだ動きを研究することが必要なのではないでしょうか?
モーションがブランディングとして定着するには多くの試行錯誤と時間がかかりますが、最終的に価値が生まれる努力だと思います。
いかがだったでしょうか。
LINE Seed JPのモーショングラフィックには、私たちのブランディングに対する姿勢が現れていることを知っていただけたかと思います。
今後もCREATIVE CENTERが制作するモーショングラフィックにご期待ください。