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LINEヤフーの空間デザイン戦略をリードする新チームのご紹介

こんにちは、LINEヤフーDesign公式note編集部のGOです。
この度、ビジュアル分野でブランディングデザインを担うVXD本部の中に、空間デザインを主力としてLINEヤフーのブランディングを体現するチームが新設されました。
その名も、VXSチーム。VXSとは「Visual eXperience Space」の略です。
現在メンバーは4名、決して人数が多いチームではないですが、それぞれ前職の経歴や出身も多様なのが特徴です。
本記事では、目指す方向性、そしてインハウスでの空間デザインのメリットと今後の展望について、リーダーの佐藤晋平さんにお話を伺いました。

空間デザインによってプロダクトをブーストできる

GO:先日、VXSチームが製作を担当した「LINE Seed JP Table」がJID賞と日本空間デザイン賞を受賞しましたね。おめでとうございます。受賞した経験が、チームの活動にどのように影響を与えていると思われますか?

佐藤:私たちがデザインしたものが、著名なアワードで評価されて賞をいただけたということはとても光栄なことですし、アワード出品時の社内の関連部署のフォローがなければ受賞はなかったと思うのでとても感謝しています。
また今回の私たちの作品はモチーフであるLINE Seed JPというフォントの、プロダクトとしてのクオリティの高さがあったからこその受賞なので、フォント制作に関わられた多くのデザイナーの方々にも感謝しています。
さてチーム活動への影響ですが、私たちの活動に直接影響することは特にないです(笑) 
社内外での認知度が少し高まったかなというくらいでしょうか。 どちらかというと、こちらのテーブルはオフィスのエントランスにあるので、これが社員とゲストとの会話のきっかけになるなどの良い影響が生まれていたら嬉しく思います。 また個人的に影響や変化があるとしたら、普段あまりチームや作品が露出する機会が多くないので、賞を受賞したことで、友人や家族に普段なにをやっているのかを見せることができたということでしょうか。

GO:佐藤さんは旧LINE時代(2023年10月1日にヤフーと合併)から長くインハウスでの空間デザインに携わってこられましたが、空間デザインがLINEヤフーのブランド価値にどのような影響を与えると考えていますか?

佐藤:インテリアデザインや平面レイアウト、オフィス設備等の働く環境が、社員のモチベーションやエンゲージメントを高めて生産性の向上に寄与することはもう周知の事実だとは思いますが、LINEヤフーのブランド価値への直接的な影響として一番大きいのはPR効果だと思います。
もう少し丁寧な言い方をすると、空間デザインによってプロダクトをブーストできると考えています。
私たちの仕事は大きく2つに分けられます。日常系のオフィスのインテリアデザインと、非日常系のイベントの空間デザインです。
日常的に目にするものや使っている家具がデザインされているということは、モチベーションやエンゲージメントを高める効果があり、それが生産性を高め、LINEヤフーというブランドを作っている社員一人一人に影響を与えていることは間違いないと思います。
一方で、非日常的なイベントの空間デザインでは、対象が社員ではなくユーザーや取引先になることも多いです。それは少し大げさに言うと、「そこでの体験がそのままLINEヤフーのブランドイメージになり、取引を始めたい・拡大したいと思えたか」に繋がると思います。
そんな重要な機会に、私たちのようなインハウスの専門家が、プロダクトの世界観を色濃く体験できる空間をデザインすることは、プロダクトのブランド価値向上に強く影響を与えていると思います。

社員がオフィスを自慢している姿を見た時、勝ったなと思った

GO:次に、旧LINE時代も含めて、これまで取り組まれた空間デザインの事例について、ご紹介いただけますか?

佐藤:はい、今回は私たちがデザインしたオフィス・社外イベント・社内イベントの大きく性格の違う3つのプロジェクトについて紹介させていただきます。まずは、「LINE KYOTO」です。このプロジェクトは、京都市において初めてエンジニアの開発拠点をつくるというもので、京都らしさ・開発拠点らしさ・LINEらしさの3点を掛け合わせたことがデザインポイントです。またここはそこまで大きな拠点ではないのですが在籍する社員の9割が外国籍ということもあり、京都らしさがあるということは採用面でもかなり重要なポイントでした。 そこで石畳や通り土間といった京都らしさを感じられるマテリアルとレイアウトを採用し、遊び心ある造作家具とエンジニアが使い倒せるような余白を持った設備計画とすることで、解放感と機能性を兼ね備えた、LINEらしいKYOTOオフィスをデザインしました。
そこで働く社員が来訪者にオフィスを誇らしげに紹介していたのを見た時に、勝ったなと思いました(笑)

次にこちらが、LINEヤフー合併後初の大型イベントである「LINEヤフーBIZ Conference」の事例です。キービジュアルとムービーを最大限活かすことを考慮し、調光調色そして連動制御が可能なLED照明を用いた空間体験をデザインしました。セッション会場では、特にオープニングムービーと連動したインパクトのある照明演出をしたかったので、事前に動画で絵コンテまで作って業者と密に調整を進めたことで、短い設営期間で最大限照明演出のクオリティを上げることができました。 AFTER PARTY会場では、長さ150センチのLEDライトストリップを100本ほど天井からつり下げて、キービジュアルの鮮やかなグラデーションカラーが動いているような照明演出することによって、イベントの世界観を最大限感じられる空間をデザインしました。
実際に担当事業部がとった事後アンケートでは、オフラインで参加した方からの取引意向が高いという結果が出ていて、感覚ではなく定量的にもプロダクトに良い影響を与えられた事例の一つだと思います。

また2023年8月、社内において部署を問わずに交流するためのイベント「TALK」が開催されたのですが、その空間デザインも担当しました。
社内のカフェスペースにおいて着席し複数でいつもより少し長く、そして深くコミュニケーションする機会を創出することが目的であり、デザインコンセプトは「 Light & Close 」。光が透けるくらい薄く軽いスクリーンで、閉じてるようで開いてる、居心地のいい空間を演出しました。 またスクリーンは誰でも知ってる梱包材の「プチプチ」を使い、カフェの家具との親和性の高いカラーで塗装することによって、驚きと発見が生まれて気付いたら誰かに言いたくなるようなデザインにしました。

インハウスだからこそ導き出せる「特殊解」がある

GO:では、インハウスで空間デザインを行うメリットについて、どのようにお考えですか?

佐藤:インハウスで空間デザインを行うメリットは、依頼者のオーダーを実現した上でLINEヤフーらしさをプラスできることだと考えています。
空間デザインというと、華美なデザインでお金を掛けるのだろうと思われることも少なくありません。ただ実際のところは、そのようなオーダーをもらった時には要望通りのデザインもできる、が正しいです。デザイン提案と同じくらい与条件について考えることに時間を使っています。
依頼者は既存の状態からイメージできる範囲で考えてしまうためか、最初に提示してもらう条件が潜在的に希望しているものとはズレていることが往々にしてあります。
予算、スケジュール、必要な機能など与えられた条件について疑問があればそこから問題提起や提案をすることも少なくありません。
これは私たちが一番近くでユーザーを見て、話を聞いて、一緒にいるからこそできることだと思います。
外部の空間デザイン会社にお願いする場合、与条件をクリアした「一般解」を出すことはできると思いますが、私たちはインハウスという強みを生かしてさらにLINEヤフーらしい、ここだけの特殊解を出すことができるのだと思います。

GO:依頼者との関係値というのも大切になってきそうですね。

佐藤:はい。私たちと協業することに慣れている事業部は、具体的な条件はそこまで言わずに、逆に少し抽象的なイメージやワードを伝えてくれることが多いかもしれないです。
彼らは、必要なことは私たちから聞いてくるということを理解しているからです。
また抽象的なイメージだけ伝えて、提案されるデザインを楽しみにしている、といったようにも見えます。
そのようなやりとりは信頼がないとできないことなので、とてもいい緊張感で心地がいいですし、 いつも以上に、期待に応えたい、想像を超えたい、という気持ちが強くなります。

GO:他部署との協働はどのように行われていますか?

佐藤:2つやり方があります。一つは私たちVXSチームがいるDesign Executive Center内での協業です。
Design Executive Centerには、LINEヤフーのブランディングを担うVXD本部だけではなく、映像を扱うMX本部やUI/UXを担当する部署などがあり、隣同士の関係ですぐ横にいます。
専門分野の異なるプロフェッショナルが近くにいることは互いに良い刺激になるため、プロジェクトの途中の段階でチームを超えてブレストをして意見をもらうことも多々あります。お互いにフラットな関係でいることが重要だと思います。
もう一つは部門を超えた事業部との協業です。
私たちが他部門と協業する際に特に気を付けていることは、受託業者のような距離感にならないことです。
いくら社内とはいえ、事業部の方も気を使うのか、かなり情報を整理した状態でキックオフミーティングを迎えることが多いです。
ただ私たちとしてはそうではなく、なるべく生のままの情報や条件が欲しいと思っています。
それも私たちとの協業に慣れていないと難しいことでもあるので、私たちはなるべく「One Team」になることを意識してます。企画段階のブレストから参加させてください、メールやSlackでのやりとり全部に私たちを入れてくださいとお伝えします。
これを続けているといつの間にか、「ここはVXSにお任せしますね」となっていきます。
ここまで信頼してもらえると、事業部のリソース削減にもつながるのでどんどん私たちに生の情報をくれるようになります。
もちろん私たちの業務が増えることは間違いないですが、私たちがインハウスでいることの大きなメリットでもあるし、ここまでくると全員が「One Team’s High」というべき状態になってきますし、「彼らが言うならいいんじゃない?彼らに任せましょう」と、裁量権までもらえるようになってくるので、ぐんぐんプロジェクトのスピードが上がっていきます。
最終的にどのパートの打ち上げにも呼ばれるくらいファミリー感が出てたらもう勝ちです(笑)

社員が自慢できる空間をデザインする

GO:最後に、 VXSチームの今後の目標や展望について教えていただけますか?

佐藤:私たちはチーム発足の際に「LINEヤフーの空間デザインを社員が自慢したくなる状態」をつくろうとメンバーと認識を合わせました。
私たちがいることで、生産性が上がったり、売上が伸びたりすることはもちろん素晴らしいことですが、デザインをきっかけに会話が生まれるだけでも、価値があると思います。
その場に来なくても簡単に体験した気になれてしまう時代ですが、その場に来ないと体験できないことの価値がとても高いということにも皆さん気づいていると思います。
これからも、空間デザインを通して LINEヤフーをより濃く味わうことができるような体験をデザインしていきたいと思います。

メンバー紹介

VXSチームは多様な経歴を持った個性豊かなメンバーで構成されています。最後にメンバーのスキルや経験案件をご紹介します。

名前:佐藤晋平 / Shimpei Sato

■スキル・使用ソフト
AutoCAD、Rhinoceros、V-ray for Rhino、Adobe全般、スケッチ

■経験
LINEのオフィス、イベント10件以上、ストア多数、スタジオ、*図書館、美術館、ホテル、大型商業施設、プロダクト (*以降は前職)

■パーソナル
北海道出身で1歳と5歳の姉妹のパパ。昨年自ら設計した自邸に引越して最高の環境で働く在宅ワークマスター

名前:權ムンジン / Munjin Gwon

■スキル・使用ソフト
AutoCAD、Sketch UP、Enscape、Adobe全般

■経験
LINEのイベント多数 *大型商業施設多数、オフィス(*以降は前職)

■パーソナル
日本語・韓国語・英語を自在に操るトリリンガル。グルメに詳しい飲み会幹事マスター

名前:谷川敬 / Satoshi Tanigawa

■スキル・使用ソフト
Vectorworks、Adobe全般

■経験
LINEのオフィス、イベント複数 *美容室、商業施設等30件以上 (*以降は前職)

■パーソナル
神奈川出身で1歳の女児のパパ。電車でソロキャンプに行くほどのアウトドア好き。自主施工でイベント会場を作り切ってしまうDIYマスター

LINEヤフーは引き続き一貫性のあるブランド戦略のもと、空間デザインを進めております。今後もご期待ください!

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