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【裏側公開】「Tech-Verse 2022」のブランドデザイン

こんにちは、BXデザイン室です。私たちは、11月17-18日の2日間で開催されたオンライン技術カンファレンス「Tech-Verse 2022」のブランドデザインを担当しました。この記事では、Tech-Verseのブランドデザインがどのように作られたかをご紹介します。


Tech-Verseとは?

これまでLINEとヤフーは毎年それぞれ技術カンファレンスを開催してきましたが、今年はLINEとヤフーに加えて、グループ企業6社*が参加し、「Tech-Verse 2022」として初めて合同開催しました。エンジニアのみならず幅広い視聴者を対象に、テクノロジーに関する最先端の挑戦や積み重ねてきた知識を、各社の多種多様な分野のメンバーがライブ配信で紹介しました。

*dely株式会社、株式会社出前館、株式会社一休、バリューコマース株式会社、ゼットラボ株式会社、株式会社ZOZO

デザインのコンセプト

まず、デザインのコンセプトについてご紹介します。イベントの名称である「Tech-Verse(テックバース)」は、「Technology(技術)」を意味する「Tech」と「Diverse(多様)/Universe(宇宙)」等を意味するVerseを組み合わせた造語です。
私たちBXデザイン室は、このネーミングを「多様な技術/人/企業のつながりによって世界をアップデートする」と解釈し、デザインにおけるコアメッセージとしました。このメッセージをヒントに、デザインコンセプトの足掛かりとしてTech-Verseを表す3つのキーワードを抽出しました。

この中で「Diversity(多様性)」は重要なキーワードですが、視覚的に表現することが難しいワードです。そのためTech-Verseならではの多様性の表現方法を探しました。 そして「Universe(宇宙)」というモチーフに着目しました。私たちは「宇宙」に対し、「様々な星の集まりがそれぞれの個性を保ちながらお互いに影響し合う」といったイメージを膨らませ、それが多様性を含むTech-Verseのコンセプトとの親和性があると考えました。デザインコンセプトとして可能性を見出した私たちは、イベントを象徴するシンボルの制作に着手しました。テクノロジーを表す「Code(スラッシュ)」と宇宙(= 多様性)を表す「Ring」をモチーフにし、テクノロジーを中心に様々な人や企業のつながりが回転しながらアップデートしていく様子を表現しました。

続いて、このデザインコンセプトをもとにブランドカラーを設定しました。テクノロジーと先進的なイメージを想起するブルーをメインカラーに、エンジニア以外にもターゲットの幅を広げていることから、カジュアルで親しみやすい印象を持つオレンジをサブカラーに選定しました。

ここまで紹介したプロセスを経て完成したシンボルがこちらです。Tech-Verseの頭文字「t」の形に読み取ることもできます。ワードマークもシンボルと同様に、テクノロジーらしい印象を持ち、可読性が高くアクセスしやすい(=親しみやすい)デザインに決定しました。

キービジュアルについて

次にTech-Verse 2022のキービジュアルをご紹介します。
Tech-Verseは今年が初開催のため、参加者にビジュアルアイデンティティの意図を明確に理解してもらえるよう、シンボルとキービジュアルのモチーフに関連性を持たせています。
様々なマテリアルやカラーで表現した、多様な技術/人/企業を意味するリングが、回転しながらアップデートする様子を視覚化。このキービジュアルを「Super Universe」と名付けました。
キービジュアルのインパクトを強めるために、今回は3Dビジュアルを採用しました。リングというシンプルなモチーフを3Dにすることで、ユーザーの得る印象に奥行きを与えることができ、LINEとヤフーが共同開催する新しい大規模なイベントとして、より注目度を上げることを目指しました。

多様性を表現するための工夫は他にもあります。
「Super Universe」がキービジュアルとして包括的に使用されるのに対して、制作物の展開時に個々の多様性を表現する要素として「Diverse Universe」というサブビジュアルも設定しました。
様々なマテリアルのバリエーションを用意することで多様性を表現しながら、基本的な形状はシンボルと共通させることで、印象の統一を目指しました。 このマテリアルの違いを表現するためには、「Super Universe」と同様に2Dよりも3Dでの表現が適していました。

また、ビジュアルアイデンティティへの共通理解を促して、あらゆる制作物で一貫した印象を保つために、これらの要素の使用方法はガイドラインにまとめて、クリエイティブに関わる全てのメンバーに共有しました。

デザインの展開

ここからは、シンボル&ワードマークとキービジュアルの使用例を想定したイメージです。デザインコンセプトを明確に伝えながら、多様性を感じさせるよう工夫しました。

登壇者と関係者へ向けて、記念品としてノベルティも制作しました。
Tシャツは白・黒・青のベースカラー3色と2タイプのデザイン、全6種類から自由に選べます。エンジニアが多く参加するイベントのため、デスク周りで使えるアイテムとしてコースターやステッカーも制作しました。いずれも多様性を感じられるよう、ビジュアルやカラーリング等の構成にこだわってデザインしています。

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した制作物は一部で、ほかにも様々なツールを制作しました。
LINEやヤフーどちらかのイメージにとらわれずブランドデザインを開発することは、日頃LINEのデザインを担当する私たちにとって貴重な機会でした。
LINEのデザインは幅広い層のユーザーを対象にしており、多くの人がアクセスしやすい、親しみやすく簡潔なデザインが求められます 。Tech-Verseも同様に、技術カンファレンスの中でもより幅広い層をターゲットにしているため、多くの人にとってわかりやすいデザインを目指しました。 直感的に理解できるデザインという考え方は、LINEのデザイン哲学と共通していますが、異素材のマテリアルやカラーを豊富に使用する方法はとても新鮮なチャレンジでした。このチャレンジを通じてテクノロジーの印象は損なわずに、より身近に感じられるデザインに出来たのではないかと思います。

この記事で紹介したデザインのプロセスは、Tech-Verse 2022のセッションアーカイブでもご覧いただけます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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