ユーザーの声から推し活機能改善 〜スタンプ機能追加までの道のり〜
こんにちは! リユース統括本部/フリマ企画部デザインチームでデザイナーをしている宮崎です。Yahoo!フリマ(旧:PayPayフリマ)のプロダクトデザインを担当しています。
Yahoo!フリマでは「グッズ交換機能」を提供しています。グッズ交換とはお持ちのアーティストやアニメのグッズ、カプセルトイなどのランダムグッズのほしい商品と交換に出したい商品の情報を登録すると、募集を見て条件に合う人が交換を依頼できる機能です。
グッズ交換機能のより詳しい使い方は以下のガイドをご確認ください。
この記事では、デザイナーがユーザーインタビューを実施し、その結果から着想を得て機能改善まで行ったプロセスをご紹介します。
サービス改善の流れ
グッズ交換機能は、リリースからまだ1年程度ですが、担当するチームでは頻繁にアンケートやインタビュー等の調査を行い、日々機能改善することを心がけています。推し活におけるグッズ交換はSNSやイベント会場を中心に行われているので、類似するユーザーの声からヒントを得ることが非常に重要なフェーズになっています。
グッズ交換機能を担当しているチームでは、企画もできるエンジニアなど職種を越境したメンバーが多く集まっています。今回は私もデザイン制作だけではなくリサーチから関わることでサービスを広い視野で見ることができ、より良い改善をできるように心がけました。
インタビューの実施
今回の調査では普段グッズ交換機能を利用してくれているユーザーにオンラインでインタビューを行いました。継続利用してもらうために求められる要素を明らかにし、もっと利用してもらうための施策案と新規グッズ交換ユーザー獲得のための施策案を出すことをゴールに調査をしました。
実際のアプリ画面を見てもらいながら普段の利用で感じていることを答えていただき、その結果をもとに発話データから価値マップを作成しました。ユーザーがどこに不便を感じていて、どこに価値を感じているのかを一目で分かるようにするためです。その後、ペルソナのブラッシュアップとカスタマージャーニーの作成を行い、ユーザーの行動を可視化しました。
アイデア出し
作成したカスタマージャーニーを基に、企画担当者やエンジニアと共に追加機能についてのアイデア出しを行いました。
多くのユーザーの意見を検証していくと、グッズ交換募集の際に利用する画像は加工アプリを用いて編集してから使っているという声を多く耳にしました。さらに検証を進めると、あらかじめ画像を別のアプリで編集してから募集を開始する、もしくは募集のフォームを入力途中に画像編集のため一時アプリを離脱するユーザー行動 が伺えました。
これまでも Yahoo!フリマ内にトリミングや明るさ補正などの編集機能はありましたが、別アプリに移動するのは推し活に特化した内容のスタンプを添付するためという理由が挙げられました。
そこで、「Yahoo!フリマのアプリ内でもっと画像の編集機能が充実したら、サービス内で募集が完結して便利になるのではないか」というアイデアにチーム内でも賛同の意見が集まりました。そのため実装コストも考慮し、まずiOSアプリでスタンプ機能を実施してみることになりました。
ではどんなスタンプが必要なのでしょうか。
実際にSNSで利用されている画像を参照して、どんな文言やモチーフが必要なのかを洗い出ししたところ、以下2つのシーンで多く加工編集が利用されていることがわかりました。
①複数個のグッズを募集していて一部がすでに交換済みであることを示したいとき
②自分が欲しいグッズと譲る商品を明示したいとき
そのため、交換済みがわかる「お譲り先決まりました」と「Thank you」の文字スタンプと「譲」「求」の交換するアイテムがどちらかわかるスタンプを中心に展開していきました。
また、画像編集画面はページをいくつか遷移する必要がある ので、吹き出しでの誘導などアナウンスを各所に入れて使ってもらいやすい工夫も検討しました。
デザイン制作で心がけたこと
多くの推し活に関するデザインはパステル系の配色で、フリルやレースのあしらいがついていたりしていて、可愛いイメージのものが多くみられます。しかしYahoo!フリマの定義するカラーは「手軽」「早い」「親しみやすい」を意識した明るいピンクを中心とした、いわゆる元気なイメージになっています。
推し活ユーザーに喜んでもらいたい一方でサービスの世界観は守っていきたい。両方を実現するために、 カラーはサービスのトーンを守りながら彩度を落としたものを採用しました。また、推し活では特に推しのイメージカラーを大事にする人が多いので、色が選べることが大事だと考えました。
推しやグッズのイメージごとに利用しやすいように、たくさんのカラーバリエーションを用意しました。スタンプの形状はYahoo!フリマのイラスト基本方針に則り、フラットでシンプルな形ながらも推し活ユーザーも使いやすいモチーフを採用しました。
ユーザーの反応
スタンプ機能のリリースに気づいてもらうために、モーダル掲出でのお知らせや公式SNSでも投稿を行ったことで、リリース後多くのグッズ交換募集おかげさまで利用までのステップが多い機能にも関わらず、20%弱のユーザーが利用してくださる結果になりました。
おわりに
グッズ交換機能では、定常的にインタビューやアンケートを行い改善を提案しています。デザイナーが常にリサーチに関わっているので、背景理解やユーザーニーズを常に把握してUIデザインに取り組むことができています。
スタンプ機能の他にも、URLをシェアする際の文言をよりわかりやすく改善したり、募集フォームが使いやすくなるようにABテストを追加で実施して改善を加えたりしています。
これからも推し活をより楽しんでもらうために、引き続き機能拡充に取り組んでいきます。今後のアップデートにもご期待ください。
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