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LINEヤフーにおける男性デザイナーの育休事情

こんにちは、LINEヤフーDesign公式note編集部です。
時代の流れとともに男性の育児休業取得率は増えつつありますが、実際に育児休業(以下、育休)を取得したLINEヤフーの男性デザイナーにお話をお伺いしました。今回、インタビューに協力してくれたのは、Design Executive Center CX部所属の中谷豪さん、コミュニケーションカンパニーLY会員サービス統括本部PIM本部デザイン部所属の木村征矢さんのお2人です。

※文章中の育休についての補足(※)についてはLINEヤフー株式会社での規則を記載しています。


育児休業を取得した背景

自己紹介をお願いします。

中谷:もともとはLINE株式会社でUIデザイナーを8年ぐらいやっていました。その後、DesignOpsのような役割(質の高いデザインアウトプットの創出活動を支えるインフラのこと)が組織に必要だなと思って、UIデザイナーをやめてその役割を担いたいと思い(当時そのような職種はなかったので)、部署を立ち上げて現在5年目になりました。子供が生まれたのは2019年11月で現在4歳になったところです。子供が好きなものは、仮面ライダーです(笑)。

木村:2019年の新卒でヤフー株式会社に入社し、現在は主にパソコンやスマートフォン版のYahoo!メールのUI/UXデザインを担当しています。2022年12月に娘が生まれて、そこから半年間、育休を取得し、2023年6月に復職しました。今はフルタイムで働いていますが、17時45分~20時の間は育児の時間として業務対応は控えさせていただいています。その分、業務が残っていた時は20時以降に対応しています。(※1)

(※1)・・フレックスタイム制:社員が日々の始業時刻・終業時刻を業務にあわせて柔軟に設定できる労働時間制。

どうして育休を取得しようと思いましたか?

育児をする木村さん

木村:自分の場合は兄弟や友達など周りで取得してる人が多かったのと、チーム内で実際に会社の育休制度(※2)を利用してる人もいたので、育休を取得するのが自然だと思ってました。また、もともと子供が好きで、育児をしっかりやりたいと思ってたのもあります。

中谷:僕は育休を取得した期間で言うと、2ヵ月だったんですね。だけど、ちょうどそのタイミングで新型コロナウイルスの感染が急拡大して、仕事も在宅勤務に切り替わって、柔軟な働き方ができるようになりました。
そのため、子供を保育園に送っていって、自分が仕事から帰ってきたら、子供がもう寝ていましたみたいなことはあまりなかったです。
僕も本当に子供が好きなので、育休を取らないという選択肢は考えていませんでした。ただ育休期間については、お給料との兼ね合いもあり(※3)妻と相談しながら一旦2ヵ月にしようと決めました。だけど、今となっては後悔というわけではないですけど、もっと、半年ぐらいとっておけばよかったなと思っています。

(※2)・・男性が育休を取得する場合、以下の制度があります。
① 産後パパ育休(出生時育児休業) 出産予定日または出産日当日から 8 週間までの間に、合計 4 週間の育休を 2 回まで分割して取得することが可能です。
② 育児休業 出産予定日または出産日当日から、お子さまの 1 歳の誕生日前日までの間で、ご自身が希望する日まで育児休業を 取得することができます。2回に分割して取得可能です。
(※3)・・育休期間は、給与の支給はありませんが、育児休業給付金が支給されます。育児休業を開始してから180日目までは休業開始前賃金の67%が支給され、181日目以降は休業開始前賃金の50%が支給されます。

周囲の反応はいかがでしたか?

木村:そうですね、自分の所属するチームのメンバーや直属の上長は理解がある人が多くて、「頑張ってね」と送り出してくれることが多かったです。自分の友達も肯定的な意見をくれることが多かったです。唯一、両親は「そんなに休んで大丈夫なの?」と心配してくれてました。

中谷:うちの場合は自分も妻も実家が地方で離れていたので、両親にヘルプをお願いできる環境ではなくて。それぞれの家庭環境によって事情は異なると思うので無理に育休を取る必要はないとは思いますが、うちの場合は取らないと大変だろうなというのと、子供の成長を見逃したくないという思いがありました。できる限り、子供の成長を見届けたくて、離れたくないと思って接していたつもりです。それでもやはりお母さんっ子に育ってしまいましたが(笑)。

中谷さん「0歳当時は、1日ずつ感情表現が豊かになるような気がしました」

育休中の一日の過ごし方、仕事上で気を付けていたことなど

木村:当初は、時間があるなら、その時間にデザイン関連の本を読もうと思ってたんですけど、いざ育児開始となるともうそれどころじゃなくて。時間があるなら、「寝ていたい」というような感じでしたね(苦笑)。
そこからは仕事のことは一切考えないようにして、復職してからまた頑張ろうっていうような気持ちに切り替えて、全力で 家事育児をやってました。

中谷:おっしゃる通りだと思います。3時間置きに交代で起きて子供の面倒を見たりしていると、何かを勉強しようという余裕がなかなかなくて。さらに、住んでいるところの向いにマンションが建ち始めて、工事中の音が結構鳴り響いて、環境としては引っ越すことも検討したぐらい、やっと寝てくれた子供を起こさないでくれという気持ちでしたね(苦笑)。
当時はそのことぐらいが心配で、語弊はありますが、仕事の代わりは誰かいるかもしれないけど、この子の父親は自分しかいないと思って、とにかく必死でした。

パートナーとの関係性は変化しましたか?

木村:そんなに変わった感覚というのはあまり感じないですが、本当に育児初期は大変で、その数ヵ月を一緒に乗り越えて、ある種、結束力みたいなものが生まれたのはありますね。
3ヵ月くらいで娘も少しまとまって寝てくれるようになっていたので、今後の育児だったり、これからこういう風に育てていければいいねというような方向性も妻と話し合えました。チームビルディングというか、なんでも話せるようになったのはありますね。

中谷:僕の場合は、この子を育てるんだっていうところは、もはやぶれない目的ですね。そのためにはどうするか?という思考になっているというか。「子はかすがい」とはいいますが、同じ目標に向かっていくチームのような感じになりましたね。もちろん、子供が寝てくれなくてイライライラしちゃうみたいな状態になってしまうこともありましたが、「今はイライラしてしまう時期だな」「睡眠不足だから寝たら直るかな」「気分転換させたほうがいいかな」というような感じで(そういうことを事前に勉強していたとこもあって)、協力して育児を行っています。

育休取得後に気づいたことや変わったことなどはありましたか?

木村:育休取得前は「半年も育休を取得したら復職後の仕事についていけるのか」が一番心配でしたが、思ってたよりはすぐ仕事に慣れることができました。ある程度は体が覚えているなという感覚でした。
変わったこととしては、在宅勤務なので隣の部屋で子供の泣いた声が聞こえてきたらそわそわしたり、就業時間も、朝早く仕事を開始して、夕方には退勤し、家事や育児をこなして、残っている業務があれば子供を寝かしつけた後にやるという形になりましたね。
仕事に対するモチベーションは、育休期間にしっかり育児に専念させていただいた分、頑張ろうという気持ちになっています。

中谷:僕の場合、企画は考えておいて、実際に運営をしてもらうのは他のメンバーに依頼をしたりと育休取得前にあらかじめいろいろと段取りをしていたので、育休期間が2ヵ月程度というのはありますが、復職したときはそこまで戸惑うということはなかったです。あとは、同僚が子供に対して寛容というか、在宅勤務でオンラインミーティングをしているときに子供が不意に乱入してきても、ほほえましく対応してくれたりというのは環境としてよかったなと思っています。

これから育休をとろうと思っている人にぜひアドバイスを!

木村:そうですね、自分の場合は、半年間取得するにあたって、妻と話をしたり、さまざまな人からいろいろな意見を聞いて決めたんですが、自分にとっては適切な期間だったと思います。たとえやり直すとしても自分は同じ選択をすると思います。
ただその半年という期間が正しいというわけではなく、それぞれの育児環境や仕事に対する考え方とか、体調とかさまざまな条件があるなかで最適な期間を決めて取得できれば仕事とプライベートにメリハリがついて、充実した生活が送れるんじゃないかなと思います。

中谷:本当に木村さんのおっしゃる通りですね。重複になりますが、もっと育休を取ればよかったなと思っています。長ければいいという話ではもちろんなくて、それぞれの事情があると思うので、そこはパートナーや周りの方たちと相談し、ご自身でよく考えた上でベストな選択をしていただければ。個人的な意見で言うと、本当に赤ちゃんって一分一秒単位で成長しているというか。今日はこんなことができた、次の日はこんなことできるかなとか、こんな顔するんだとか、その一瞬一瞬で本当に変わっていくし、その時ってもう戻ってこないんですよね。

当たり前ですけど、人間は成長していく生き物なので、そこをなんとかできる限り近くにいて傍で見たほうがいいんじゃないかなと僕は思っています。そういったかけがえのないもの、取り返せないものが確かにあるよ!ってことはきちんと伝えておきたいです。


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