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趣味なればこそ、難しいモノにチャレンジ出来るよという話

こんにちは、伊藤広大と申します。
LINE クリエイティブセンターのブランド映像チームという組織の中で撮影を担当したり、制作上に必要なアレコレを何でもやるポジション取りをしつつ、何とか糊口を凌いでおります。のっけから不真面目そうな入り方で恐縮ですが、エントリー自体は真面目な感じに綴っていきたいと思います。読了までどうぞ宜しくお願いします。


多様性を涵養する組織

弊社は「CLOSING THE DISTANCE」を合言葉に、世界中の人と人、情報やサービスとの距離を縮める事をミッションとして掲げています。またこの実現を担保する意味で、「LINE CODE」という行動規範を定めております。

この中に「RESPECT(多様性を認め互いを尊重し信じあう)」というキーワードが有ります。最近、何となく暗い話題が多いです。多様である事が許されない、何とも生き難い世の中であります。その点、弊社は短いながらもその歴史の中で多様性が涵養され、他社に類を見ないほど様々な属性を持つ方が協働する、素晴らしい組織なのです。


とある撮影前、若干多様な私の席。

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様々な背景、そして趣味

この意味で、社内には様々な背景を持った方が居ます。それを証明するように50種以上の社内サークルが立ち上がり、非常に趣味ニケーションが活発です。趣味を楽しむ事がインスピレーションに繋がり、やがてクリエイティビティにフィードバックされるのです。

一流のスキルを身につけるには1万時間の学習が必要だと言う話が有ります。然るにその時間は質の高い物でなくてはなりません。趣味として楽しみながら学習する事が出来れば、1万時間などあっという間です。この項、結構適当な事を言っている自覚が有りますが、割と間違いでは気がしています。


ドローンの話

冒頭の写真からもお分かり頂けたでしょうが、私は趣味と実益を兼ねてドローンを使った空撮に取り組んでおります。従事している時間は1万時間とは行かず500時間程度ですが、最近は対外的に色々評価を頂けたり・・・あるいは弊社のRESPECTを重要視する文化も有り、自社業務でも活用させて頂ける程になりました。おかげでこのエントリーを書かせて頂ける事になったものです。有難い事です。ただ、社内にドローンのサークルはまだ有りません。孤独です。


冬は寒いので服を作ってあげました。(バッテリー保温用)

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前置きに900字ほどかかりました。突然ですが、ドローン空撮と言えば中々よく分からんモノと思われがちです。という事で参考までに、私がドローン空撮を行う際の手順をざっくり綴らせて頂こうと思います。このエントリーをご覧頂いている皆さんのお役に立てれば幸いです。

空撮までのおおまかな流れ
 1. 地図サービス、現地でのロケハン
 2. フライトプランの策定~許可取得
 3. 天候を見ながら日時決定
 4. 撮影前準備
 5. 撮影

1.地図サービス、現地でのロケハン
国土地理院が公表している地図データ、あるいはGoogleマップなどの地図サービスを活用しながら、現地の地形情報を集めます。民間サービスのビジュアライズされた3Dマップはとてもイメージを作りやすいのですが、正確性ではやはり民間<公共である為、両者を見比べながら発着場所や飛行ルートやアングルを決め、具体的なロケ地を絞り込んでいきます。

※一般的にはやはりパブリックデータが好まれる

その後にロケ候補地を訪れ、周辺環境をチェック。構図等をシミュレーションし、コンテやフライトプランに落とし込んで行きます。


この谷はいい谷だな・・・的な。手前の丘がいい感じですよね。

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2. フライトプランの策定~許可取得
ドローンは空飛ぶカメラである一方、それなりに重量があるフィジカルな機材である事もあり、撮影には危険が伴います。ゆえに適用対象となる関連法規が山ほどあります。もちろん撮影しやすい条件が揃う場所も有りますが、大半の場所は調整が必要なので、「1」~「2」を行ったり来たりしながらフライトプランを固めていき、撮影許可を取得します。


3. 天候を見ながら日時決定
画として欲しい天候条件を考慮する事は勿論ですが、一般に販売されているドローンは(各種センサーのおかげで)とても安定しているとはいえ、空を飛ぶ物である以上、風や気流には特に注意する必要があります。安全性云々というか、満足にワーク出来なくなるんですよね。ゆえに可能な限り、フライトプラン策定時はある程度バッファを取った撮影計画を立てます。

民生用ドローンは安定的な一方、ソフトウェアを使いこなす知識が必要。

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4. 撮影前準備
ドローン運用に使っているアプリの数々。

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撮影前~直前にかけ、様々なアプリを使って準備を進めます。屋外撮影であれば前述の気象情報、飛行エリア情報、日の出入り時間や太陽の位置、周辺の飛行情報、測位衛星の位置など。飛行直前には機体の安全確認も。この様子を傍らで見ていると「中々飛ばさねーなー」とか言われがちですが、操縦者は良き空撮を行うため、こうしたデータを突き合わせて一人悶々としているのです。大目に見てあげて下さい。


5. 撮影
ここまで来てようやく空撮に。ふー。(ここから本番)

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ざっくりと空撮を行うまでの流れをダイジェスト的に書き出してみましたが、如何でしたでしょうか。これまで空撮は多大なコストが掛かる撮影手法でしたが、ドローンが登場した今、現在は現場レベルでも運用可能な物となり、あらゆる環境で積極的に使われ始めています。一方でまだまだ歴史が浅く運用にかかるナレッジ化がされていない事から、こうした前準備に多くの時間を割きます。正直言って大変ですが、私自身は趣味として楽しみながら取り組めているからこそ、こうした新規性の高いクリエイティブにチャレンジ出来ているのだろうと思います。

最後に

ところで実は私、クリエイティブセンターへは今年異動してきたばかりです。以前は全く異なる部署に居たものの、ずっと続けていた趣味が高じて社内転職が適ったのですね。このようなチャレンジングな試みをも許容して貰える、そうした文化はLINEならではのものなのではないかと思います。

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