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変わる環境の中でも、デザイナーとして軸を持つのに役立った本

こんにちは、BXデザイン1チームのシン・オンジュです。
デザインエージェンシーと企業のインハウスなどの経験を経て、今年2月中旬にBXデザイナーとしてジョインしました。 現在はLINEとLINE+に所属していて、入社してから今まで在宅勤務で、韓国にいながら日本のデザインを担当するといった新しい業務スタイルでした。しかし最近は、いつの間にか日常の一部として定着してきたように思います。

個人的には、アメリカと韓国を拠点にデザインの経験を積んできたので、日本のサービスに馴染めなかったらどうしよう?と心配していました。
しかし、デザインにおいては国や地域に関係なく、グローバル共通で通ずる点があると信じています。デザインとは何だろう?デザイナーってどんな人?という質問を何度も自分に問いかけて、常に心に留めておくことが大切だと思います。実際に業務をする時は、ファッションや建築など、他の分野の本であったり、音楽や映像作品がインスピレーションとして役にたちますが、一方でデザインとは何か?というような根本的な問いに対しては、時には自分のマインドの軸をもつ本が必要ではないかと感じます。

そんな時に役立つ本を、私の本棚の中から2冊ほど紹介したいと思います。

まず、デザインをするに当たって、理性的思考と感性的アプローチが調和した状態で行われるべきだと思います。1冊目の本「What is a designer」はデザイナーとしての役割と立ち位置はどこなのか、論理的に理解できるように導いてくれる案内人のような感じの本です。

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『What is a Designer : Things, Places, Messages』 by Norman Potter

本のタイトルが "Who" is a Designerではなく、"What" is a Designerというタイトルになっている点がこの本が言おうとする内容をうまく表現していると思います。

"デザイン"という単語は、私たちの生活において多様な意味で使用されていると思います。現代ではビジネスや人生設計においても独創力が求められるため、もしかすると皆がデザイナーにならなければならないという時代に生きていますが、実際、"デザイナー"として仕事をするということは何なのかをシンプルに説明しています。

本書では、デザイン作業を製品デザイン(Things)/環境デザイン(Place)/コミュニケーションデザイン(Message)に区分して書かれています。この本は60年代に書かれたので、当時のブランド体験の手法は技術も環境も変化した現代とは異なるため、この本でいう「ブランド全体の体験に関与するBXデザイン」は一部にしか当てはまらないと思います。

幸い本書は決められた答えを解説するのではなく、デザインにおける本質的な「質問」や「態度」について述べています。50年以上前の本ですが、古典のように参考にできる内容があると思います。

2冊目の本はクリエイティブを扱う際に、感性的なアプローチをできるように寄り添ってくれるような本です。先ほど紹介した本が先生のような感じなら、この本は柔らかくて優しい友達のような感じで話しかけてくれるイメージです。また、各ページごとに違うスタイルで印刷された円(Circle)のイラストとともに格言があり、前後の順序は関係なく読むことができます。

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『You are a Circle : A Visual Meditation for the creative mind』 by Guillaume Wolf

デザイナーであれば、いつでもクリエイティブでなければならないのに、常にその状態を保つのは簡単ではありません。特に”私にはできない”と落胆している時ならなおさらです。

街で見かけた広告や雑誌の中で、何かピン!とくるテキストを発見し元気をもらったりインスピレーションを得た経験はありませんか?私にはそのような瞬間があります。クリエイティブにおいてピンとくるテキストを探したい時、この本の適当なページを開いて読んで参考にしていました。
最近では、新しい業務環境に適応する中で、下記のページに書かれた言葉についてじっくり考え、そしてクリエイティブを生み出すのにとても役立ちました。

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"Learn to love who are different from you." (p.206)

わかっていたことではありますが、Creativityのためには他人を愛すること、つまり自分と他人を理解し学ぼうとする心が何よりも重要だという点を再認識することができました。

LINEのクリエイティブセンターには様々なバックグラウンドを持つ人がたくさんいるので、自分と違う人を理解しようとする努力(Learn to love who are different)をすることでCreativityを培うのには良い環境だと思いますし、また自分自身もそうなってほしいと期待しています。

本で学んだ内容を実践するにはまだ未熟ですが、デザイナーとして必要な論理と感性が調和したアプローチができるよう努力していきたいです。この記事が少しでも皆さんの役に立てば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。:)

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