Twitterを活用したデザインリサーチ
こんにちは。クリエイティブ戦略チームのmomoです。
みなさん、普段Twitterを利用されていますか?息抜きに眺めたりつぶやいたりする人も、仕事柄毎日チェックしている方もいるかと思います。
そこで今回は、Twitterを使ってお手軽にできるデザインリサーチをご紹介します。
ところで、私は去年12月に広告やデジタルマーケティングを扱う仕事を辞め、クリエイティブセンター唯一のコピーライターとして入社しました。デザイン組織に身を置くのは初めてで、超・デザイン初心者です。
この記事を読んでくださっている方は、デザイナーの方、デザインに興味がある方、LINEに興味がある方が多いのかなと思いますが、どちらかというとデザインに落とし込むよりも前段の「ユーザーのニーズを捉える」「トレンドをキャッチする」という目的のリサーチ手法を紹介したいと思っています。
これは前職時代、朝から夜までクライアント対応や納期に追われて余裕のなかった私がどうにか情報インプットを効率的にできないものかと編み出した時短テクニックです。また、基本的にはTwitterにもともと備わっている機能のみを使いますので、ぜひ試してみてください。
そもそもデザインリサーチとは?
デザイン思考に基づいて調査することを一般に「デザインリサーチ」と呼びますが、あまりにも広義なので、今月発売された木浦幹雄さん(@kur)の「デザインリサーチの教科書」の記述を少しお借りして説明したいと思います。
著書内では、デザインリサーチと並べてよく使われる「マーケティングリサーチ」との違いを挙げていくことでその特徴がよく分かります。
なかでも非常に腑に落ちたのが、以下のような説明です。
マーケティングリサーチ:統計データを使って調査・分析する手法
デザインリサーチ:個人の声に耳を傾けて調査・分析をする手法
また、デザインリサーチは普段の活動を通しての調査をすることでユーザーがサービスやプロダクトを使う環境を理解したり、ユーザーの体験を重視するという点も特徴的です。
代表的なデザインリサーチ手法としてはデスクリサーチやワークショップ、フィールドワークが用いられます。
「普段の活動を通して」「個人の耳に傾け」「ユーザーの環境を理解する」。これ、Twitterがぴったりのツールだと思いませんか?手元のスマホから簡単に調査できるうえ、他のSNSと比べ「ちょっとした事をつぶやく」文化があるTwitterは、ユーザーの本音が可視化しやすいと言えます。
※学術的観点でのデザインリサーチは3つのプロセスに分かれると言われ、①調査 ②分析・整理 ③アイディア・コンセプト成形のように順を追って進めていくことが多いようです。今回ご紹介するのは、①調査フェーズに特化した簡易的なリサーチとお考えください。
検索コマンドをフル活用して上手に検索しよう
調べたい事柄やテーマが決まっている場合、検索機能を使用して特定のキーワードやアカウント名を検索するのが一般的です。その際「高度な検索」を使うと、条件指定やフィルターをかけることができ効率的に情報収集ができます。
※PC版Twitterはこちらからアクセス可能です。
https://twitter.com/search-advanced?lang=ja
キーワード検索のand条件・or条件、もしくは除外指定できる設定や、送信元・送信先アカウントの指定、返信を含めるか、リンクを含むツイートを含めるなどなど...非常にたくさんの条件を指定できます。
その中から、デザインリサーチをする時に便利な検索条件をご紹介します。
スマホ版Twitterからでも条件指定ができるコマンドも紹介しますので、併せて使ってみてください。
日付を指定して過去ツイートを検索する
[コマンド]
検索したいキーワード since:年-月-日
検索したいキーワード until:年-月-日
たとえば「サービスリリースした直後のユーザーの反応が知りたい」場合、リリース以前のツイートはリサーチ対象外になりノイズとなってしまいますよね。そんな時はリリース後の日付を指定するコマンドを使い、以下のように検索することでリーリス後のツイートのみ表示することができます。
(例)「LINE」というサービスを2021年1月1日にリリースした場合
LINE since:2020-1-1
ツイートの感情をポジティブ・ネガティブに分けて検索する
[コマンド]
検索したいキーワード :)
検索したいキーワード :(
検索語句にスペースを空け「:)」または「:(」を追加すると、ポジティブなツイート・ネガティブなツイートに分けて検索できます。さらにポジティブ検索「:)」では「:D」「(^^)」を使用したツイートもポジティブなツイートとして検索結果に表示されます。ただし、この機能は海外で使用される顔文字を応用して判断しており、具体的なアルゴリズムが公開されていないので必ずしも本来の意図と同じとは限りません。
日本で使用される顔文字はバリエーションが多く絵文字も多用されるため、キーワードが含まれる全てのツイートを網羅的に分けるのは難しいかもしれません。
【番外編】Yahoo!リアルタイム検索では「つぶやき感情分析」
別サービスにはなりますが、「Yahoo!リアルタイム検索」では特定のキーワードに対して、ポジティブvsネガティブの割合がTwitter全体でどの程度かを可視化できます。
個々のツイートがどっち判定なのかを確認することはできませんが、母集団全体の傾向をざっくりと分析したいときに使えそうです。
ちなみにこちらはLINEのUIデザインリニューアル時に多くツイートされた「LINE 色」というキーワードで検索した結果(1月19日17時頃)。過去30日と過去6時間では、ポジネガの割合がかなり違うのが興味深いです。時間の経過につれ、「LINEの色が変わった」ことに対しポジティブに受け取る人の割合が上がったというようにも読み取れますが...統計的なデータではないので、あくまで参考にさせていただきます。
[過去30日のつぶやき感情分析]
[過去6時間のつぶやき感情分析]
トピックをフォローして「情報が入ってくる環境」を作ろう
トピック機能をご存知でしょうか?画像のようにあらかじめ興味のある分野をフォローしておくと、関連するツイート(比較的バズっているもの)がおすすめとして通知されます。メニュー画面から「トピック」をクリックすると自分で選択することができます。
デザイン単体のトピックがないのが残念なのですが、関連するトピック「インテリア・デザイン」「ビジュアルアート」「イラストレーション」などがおすすめです。
トピックをフォローしておけば「忙しくてTwitterで情報を拾う時間がない」なんて時も、通知が来たらチェックすればいいのでお手軽です。
リストでフォローしているアカウントを管理しよう
フォローしている人が多ければ多いほど、タイムラインの流れが早く情報を追うのが大変になってしまいます。そこでリストを活用し、カテゴリごとに後で一気見できるように整理しておくととても便利です。
メニューから「リスト」を選択し「リストの新規作成」を選ぶと画像のように設定していくことができます。
「非公開にする」をチェックすると、作ったリストが他のユーザーの検索結果に表示されない、リストに入れたユーザーに通知が行かない設定になります。こっそり自分だけでリストを楽しみたい時におすすめです。
ちなみに私が使っている使っているリストはこのようになっています。仕事に使うアイディア収集やインプットには「デザイン」リスト、息抜きに好きなバンドや俳優のつぶやきを「artist」リストで確認、夜寝る前や休みの日は「リア友」リストで友人のツイートを眺める、といった使い分けをしています。リスト機能が便利すぎて、私はほぼタイムラインを見ていません!
フォローするたびリストに振り分ける手間はかかりますが、一度作ってしまえば快適です。
以上、Twitterでできるデザインリサーチをご紹介しました。
「デザインリサーチ」と言うと、ビジュアルや色彩のイメージを膨らませるための事例を求めてPinterestやBehanceなどのサービスで画像を検索するような作業を思い浮かべる人も多いと思います。一方でTwitterは日常生活におけるさまざまなシーンでこぼれるユーザーの声や、トレンドを拾うことができます。
画像だけでなくテキスト情報が豊富なTwitterの特性を生かして、デザインに限らずさまざまな情報収集に生かしていただければと思います。
ちなみにInstagramを活用したデザインリサーチについての記事もありますので、ぜひ読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。