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ビジネスツールで具現化するLINEヤフーのブランド体験
こんにちは、LINEヤフーDesign公式note編集部です。
この記事では、2024年1月に公開した「インハウスでやり切ったLINEヤフーコーポレートロゴ制作のプロセスとは」に続き、LINEヤフーのコーポレートロゴを用いたビジネスツールのデザインについてお話しします。
本記事では LINEヤフーのブランディング戦略とビジネスツールがどのように連携してブランドの体験を具現化し、エンゲージメントを強化しているかについて詳しく説明します。当社のデザインチームが直接関わり、製作した具体的なビジネスツールを紹介し、それらがもたらす影響について深掘りします。
LINEヤフーにおけるビジネスツールとその意義
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LINEヤフーでは、ビジネスツールを社内だけでなく、社外の方の目に触れるアイテムとしてLINEヤフーのブランドを伝えることができる重要なツールと捉えています。
そのため、私たちはロゴの提案段階からツールのデザインを検討しています。
LINEヤフーのビジネスツールでは、「Stay Closer, Go Further」というコンセプトを基にロゴの重要な要素である62°のイノベーションエッジとGreen, Red, Navyの3つのコーポレートカラーを使用することで、新会社のブランドとしての統一感を実現しています。
「Stay Closer, Go Further」とは、 両社の結束によって革新を生み出しながらユーザーに寄り添い続ける”という意味で、これまでと変わらない安心感と今後の発展への期待感を感じさせたいと考えました。
具体的にデザインしたビジネスツールをご紹介すると、名刺・社員証・封筒・紙袋といったオフラインアイテムの他に、社員が使用するZoom背景や資料作成時に使用するPowerPointのテンプレートなども挙げられます。
また、コーポレートフォントである「LINE Seed JP」もビジネスツールの一つと言えるかもしれません。
ビジネスツールにおける製作者の視点
それぞれのビジネスツール製作に携わったVXデザイナーに、製作過程においてチャレンジや苦労した点、デザインポイントを語ってもらいました。
「3つのコーポレートカラーを正しく伝える」
名刺・封筒・手提げ袋の各ツールの印刷色を 一致させる部分で苦労しました。 複数の印刷会社と製作を進めていく中で 特にネイビー色については色の変化が大きく、何度も校正を行いました。 最終的に印刷工場に出向いて調整を行うなど各アイテムの印刷精度を高めていきました。
「依頼側と意見を出し合いながら進行」
会社合併というイベントはデザイナーだけでなく社員全体にとって初めての出来事でしたので、依頼者である総務部門と認識を合わせながら、おたがいの進行しやすいフローを探しました。
合併して初めての製作物でありこれからのLINEヤフーのスタンダードを作ることになるので、印刷や素材など、コストとのバランスの中で最大のクオリティを発揮できるデザインに決定しました。
「グラフィックシステムの統一」
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統一感を出すために、ツール類のデザインに適用するグラフィックをそろえました。62°のエッジと3色のコーポレートカラーを使用し「LINEヤフー」のブランドを印象づけています。ツールによって大きさが変わっても同じ印象に見えるようエッジの大きさなどを調整しました。
「ガイドラインを整備」
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名刺や社員証は、外部委託先で氏名や連絡先情報を入力していただくので、その際に正しいレイアウトで入力されるように、文字のサイズや位置、フォントのウェイトなどが記載された詳細なガイドラインを共有して進行しました。
ビジネスツールがもたらす社内外への影響
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ビジネスツールは、ブランドの象徴として広く社内外に頒布されていくものです。社内の場合、会社に所属している意識や仕事に対するモチベーション、そしてエンゲージメントの向上が期待されます。名刺や社員証など自分たちの持ち物になるものも多く、それらが持っていて嬉しいもの、自信になるものにデザインされていれば、会社に対してポジティブな印象を持つことにつながるでしょう。
一方、社外に向けた場合、社員から受け取る名刺や封筒、紙袋などは、LINEヤフーという会社から受け取るものになるので、会社のミッションやビジョンを印象づける重要なツールとなります。
ブランディングは、ロゴやガイドラインを作って終わりではなく、展開されたツール類のひとつひとつにも同じコンセプトが反映され、全体として一つの輪郭が見えるようにすることを想定する必要があるのではないでしょうか。
インハウスでビジネスツールのデザインを行うメリットとは
インハウスでビジネスツール製作を行うと、これまで封筒や紙袋がどのように使われてきたのかはわかっていますし、身近なニーズも肌で感じることができます。ブランディングが機能性を阻害してはならないし、そのうえで伝えるべきメッセージのためにどのようなデザインが必要なのか理解しながら製作を進めることができるのです。
今後使用していく中で、より使いやすくなるように修正していく必要も出てくるでしょう。そういった社員の意見を吸い上げて反映していくこともインハウスデザイナーだからできるポイントだと思います。
また、デザイナー自身がユーザーになるので、デザインする上でのモチベーションも上がります。
最後に
ビジネスツールは単なる道具ではありません。ブランドの価値を具現化し、社内外のエンゲージメントを高める手段となります。しかし、どのようにそれを具現化するか、またそれが具体的にどのような影響をもたらすのかは常に考え続けなければならない課題です。一旦製作すれば終わりというわけではなく、その後も様々な状況を鑑みてより良い成果を生み出せるように留意しなければならないでしょう。
また、名刺や封筒などをブランディングのためのビジネスツールとしてデザインするためには、当然ながら総務担当者や印刷などに携わっていただく印刷会社の皆さんのご理解・ご協力が不可欠であり、感謝の念を忘れてはいけないということを最後に付け加えさせていただきます。
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