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パフォーマンスに影響する2つのモチベーション

Biz Designチームの齋藤です。
本日は「パフォーマンスに影響する2つのモチベーション」についてお話させていただければと思います。

この2つのモチベーションの呼び名は「外発的動機」と「内発的動機」となります。(ちょっと文字にするととっつきにくいです…)この言葉との出会いは一冊の本『モチベーションを劇的に引き出す 究極のメンタルコーチ術』(鈴木颯人著)からでした。

私は日曜日にボランティアで地域の少年サッカーチームを教えている事もあり、このようなコーチングの本を読んでいます。まだまだ私は他のボランティアパパの足元にも及びませんが、少年サッカーを教える上で一番重要なのは「サッカーに熱中してもらう事」。簡単にいうと「サッカーが好き」を継続してもらう事です。このモチベーションは「内発的動機」に分類されます。

もう一つの「外発的動機」は、例えば私が試合中ベンチから「なんで今のパスしないんだ!」などと大声を出したとしたら子供たちは途端に萎縮し伸び伸びとプレーができないどころか、「周囲の期待に応えたい」思いが心の中で大きくプレッシャーとなり(※この場合は恐怖や混乱も)コーチの顔色を伺いながらプレーをするようになってしまいます。つまり「自ら考えて行動する事」をやめてしまいます。(※外発的動機が悪いという事では無いのでご注意ください)

この2つのモチベーションは、少年サッカーだけでなく私たち社会人(デザイナーも含め全て)も日々影響を受けています。組織に属する全ての職種の方々が2つのモチベーションを自覚し、上手く付き合う事によって個々・組織のパフォーマンスを格段に上げることができたらと思います。

内発的動機・外発的動機とは

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内発的動機・外発的動機をネットや本で調べた事を基に私なりの解釈で表現すると
内発的動機は「好奇心・探究心・好きだから」
外発的動機は「時間的制約・成果や報酬・周囲の期待に応えたい」
と認識しています。

まず、こういうものなんだと自覚する事によって上手く付き合う為の第一歩としてください。内発的動機を活性化させるのは少年サッカーのお話で例にも出したように、「好奇心・探究心」が活発になっている状態です。つまり「〇〇の職業に興味がある」や「〇〇の職業をやってみたい」など何かに意欲を持っている時に自分の心の内から発生します。

いっぽう外発的動機は、人が集まった状態など外部からの影響で発生します。組織に属する事で、周囲の期待に応えたいといった気持ちが大きく影響します。組織に属すると組織のルールを気にするのは当然のことですし、人が集まれば少なからず周囲から影響を受けるのも当然です。つまり社会人にとって外発的動機は「避けられない動機」もしくは「無意識に従っている動機」ということです。

この避けられない外発的動機は上手く付き合わないと個人・組織のパフォーマンスを下げる原因になりかねないので、次にメリット・デメリットについてお話ししたいと思います。

外発的動機のメリット・デメリット

外発的動機のデメリットを話してしまいましたが、メリットもあるようです。

メリット

なお手順の決まっている単純作業に関しては、外発的動機によってパフォーマンスがあがることもわかっています。
引用「モチベーションを劇的に引き出す 究極のメンタルコーチ術 著 鈴木颯人」kindle版 No.914

量はあってもやる事が明確な作業は、外発的動機が大きくなることによってパフォーマンスがあがるという事だと思います。しかも「周囲の期待に応えたい」が動機ですから達成感も感じると思います。次はデメリットについてですが、デザイナーにとって致命的な内容です。

デメリット

外発的動機が強くなると、人は創造性を発揮しづらくなる
引用「モチベーションを劇的に引き出す 究極のメンタルコーチ術 著 鈴木颯人」kindle版 No.914

これはデザイナーに限らず全ての職種において致命的ですが、特にデザイナーにはキツイ状況かと思います。しかも外発的動機は組織にとって付き物だと思うので非常に厄介です。ではいったい、どういう影響があるでしょうか?

「目的」と「配慮」がユーザーに向けられるのではなく、組織に向けられてしまう傾向があると思います。

例えば課題が違っても同じようなデザインや手法になってしまうのは、以前の成功体験や時間的制約などの動機が影響していているかもしれません。
「みんなが練ってきた案だから間違い無い」「時間が無いから仕方が無い」などを無意識に前提としているので、自分がデザイン(設計)していても、目の前の違和感に気づかない事もあると思います。時間的制約や周囲の期待に応えたいと思うあまり気づけないのです。別にサボっているわけでも、手を抜いているわけでも無いので悲劇です。

時間的制約があっても組織の中で協力協業して、ユーザーが満足するサービス・プロジェクトを進めなければいけません。それには外発的動機と内発的動機を自覚し上手く使い分けるバランス感覚が重要だと思います。

2つのモチベーションとの付き合い方

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最後に「2つのモチベーション」とどう付き合ってバランスをとるか?私なりの解釈でまとめたいと思います。まず外発的動機は人や組織と付き合う上でどうしても影響してくる動機なので、ある意味「諦めてください」。

ただ、こういう影響を受けるんだなと自覚する、そしてたまに自分の行動を客観的に見る、もしくは自分に問いかける。例えば「いま周りに流されて無いかな?」や「スケジュールを軸に全てを決定していないかな?」など、たまに確認するような感覚で付き合うと良いと思います。組織の中にいながら、ユーザー側に立っていなければいけない事を思い出してください。

もう一つのモチベーション内発的動機は「デザイナーを目指した頃を思い出す」事で刺激になると思います。「なんでデザイナーになりたかったんだっけ?」「どういうデザイナーを目標にしたんだっけ?」「あの頃は色々チャレンジしてたなぁ、めちゃくちゃだったけど」など
純粋にただただ楽しんでいた頃を思い出して振り返り、自分の中の好奇心や探究心を呼び覚ます感じです。
※今現在不満があるわけじゃないですよ(笑)

思い出した「好奇心・探究心」と今までの「経験」を活かしてパフォーマンスが上がればと思います。私も今から思い出してみようと思います(笑)

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