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3.11企画「検索は、チカラになる。」のデザインの裏側

こんにちは、ブランドコミュニケーション本部の長谷川です。
今日3月11日に、「3.11」とヤフーやLINEで検索すると、東日本大震災と能登半島地震の支援のための寄付になる企画「検索は、チカラになる。」を実施しています。
この記事では2024年の「検索は、チカラになる。」でアートディレクターを私が務めましたので、本企画のデザインの裏側のお話をさせていただきます。 


今回のデザイン方針

この企画では、メインモチーフであるハートの形や全体を彩る水色などのデザイン構成要素が2014年の立ち上げ当初から継続して使われていて、デザインのトーン&マナーは一貫して決まっています。

ただ今回は、これまで使われていたデザインを一部見直しています。水色のコンセプトカラーとハートモチーフはブランド資産として活用しながら、より使いやすい形にアップデートした過程をお見せしていけたらと思います。

まず、アップデートで意識していたのは、ひと感があるやさしいデザインです。
震災から13年経ち、つらい気持ちを抱えながらも前を向いて生きる東北のみなさんのことがしっかりと印象に残ること。誰かを傷つけることのない、やさしさがあること。どこか遠い場所の出来事ではなく、共感できるよう親しみが持てること。そんなデザインコンセプトを定めました。

コンセプトカラーの変更

はじめに、全体を彩るコンセプトカラーを見直しています。
昨年まで使われていた水色はグレイッシュで落ち着いた水色ですが、ニュアンスカラーに近い分だけ少し弱い印象を感じていました。パッと見た時の第一印象を強めるため、彩度を上げて色相は黄色を感じる色味に変更しました。
鮮やかさが増した事で視認性が向上したのはもちろんですが、黄色系に寄せた事でぬくもりを感じるあたたかい印象も持たせる事ができました。

ハート形状の変更

ハートは、企画立ち上げ当初から使われ続けているメインモチーフであり、その形状はずっと変更しておらず、縦に細長い形が特徴的で、シャープな印象がありました。縦長のハートは珍しい形のため、目に留まりやすいデザインであったと思います。
その反面、バナーやモジュールなど横長の媒体が多いWebメディアでは縦長の形状は使いにくい箇所もあると感じていました。ハートとコピーを一緒に組む事が多い本企画ではふっくらと広がりを感じる形の方が、ハートの中にコピーを入れられるなど収まりが良くなる点を踏まえて、新しい形を開発しました。
外への拡がりや柔らかい印象のある有機的な形に変更し、塗りのテクスチャーを入れて人が手描きで描いたようなクラフト感のある仕上がりに変更しています。
最終のデザイン確定に至るまでに、無機的な形から有機的な形まで幅を持たせて20〜30案程度をデザイン検証し、現在の形に落ち着きました。
色・形を直感的に視認しやすいデザインに変更した事で、ハートのみのアイコンを使った場合でも見やすい設計にする事ができました。

写真の方針

今回の撮影は2023年の12月下旬に、東日本大震災で特に被害が大きかった岩手県・宮城県・福島県の3県の方にご協力いただき実施してきました。
写真は東北のみなさんの優しく穏やかな雰囲気を大切に、爽やかな空気感をイメージした淡いトーンに統一しました。正面をまっすぐ見つめる穏やかな笑顔は、見た人に親しみを感じてもらうとともに、まっすぐ未来に向かう明るい姿勢を印象づけられると思います。
今回の写真選定基準としては、表情や空気感がいいのは前提としてありますが、職業や属性がわかりやすい事。世代や性別に偏りがない事、背景が東北の土地ならではの場所である事など多くあります。
掲載している3点の写真以外にも多くの方にご協力いただき、すてきな表情・空気感の写真をたくさん撮ってきたのですが、企画サイトではサイトの仕様上使える写真の数がどうしても限られてしまうので、全てお見せできないのが残念です。

最後に

3月11日に「3.11」と検索するとおひとりにつき10円が寄付になる「検索は、チカラになる。」は、1,000万回以上も検索され多くのユーザーの目に触れる企画です。多くのユーザーの目に触れる分、やりがいがありますし、デザインのディティールの変化で参加しやすさに影響が出てくるため、慎重に一つひとつのクリエイティブに向き合う必要があります。
今回コンセプトカラーの水色とハートの形を変えた事で企画に参加いただける方が増えるなど、少しでもクリエイティブの力で人の行動に影響を与える事ができたら、デザイナーとしてとても励みになります。

今日3月11日に特設サイトにぜひお越しいただき、「3.11」と検索してみてください。1クリックで東北や能登へ想いを届ける体験は、ご自身や周りの大切な人の防災を考えるきっかけに繋がるかもしれません。


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